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lulabox
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男性
自己紹介:
30代の編集者/ライター。ゲイ。映画、音楽大好きですが、仕事では書く機会がなく...。ので、こちらでは趣味全開にしちゃいます。
popdorianz@yahoo.co.jp
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映画はエンターテインメントでありつつも、アートフォームであって欲しいと願っています。 同じような気持ちで映画を観ているひとの慰みになれば幸いです★
『この記事では、筆者がまだ観たことのない、ぜひ観たい映画について記しています。
もし「持ってるよ」「譲ってあげるよ」という奇特な方がいらっしゃいましたら、
ぜひstargazer33@infoseek.jpまでお知らせください。
ダビングものでも、全然結構です。詳細相談させていただく返信、必ずいたします。
またもし、DVD製作販売の会社の方が見ていて下さったら、
ぜひ商品化をご検討くださいませ~~!』
_______________________________________________
上記事で韓国のゲイ映画をレビューしていますが、
90年代にも一作、あったようです。
それがこの『明日に流れる川』。
腐女子好みの、美青年が登場する凡庸なラブストーリーではなく、
朝鮮戦争以降の韓国史を根底のテーマに据えた、
野心的なゲイ映画らしいので、是非観てみたい!
日本では、『東京国際レズビアン&ゲイ映画祭』など
一部で公開されたに留まったようで、ソフト化もされていません。
あ~ん、ぜひ観たい!

原題:내일로 흐르는 강
英題:Broken Branches
製作年:1996年
製作国:韓国
監督:パク・チェホ
出演:イ・デヨン、キム・エリョン、イ・インチョル
もし「持ってるよ」「譲ってあげるよ」という奇特な方がいらっしゃいましたら、
ぜひstargazer33@infoseek.jpまでお知らせください。
ダビングものでも、全然結構です。詳細相談させていただく返信、必ずいたします。
またもし、DVD製作販売の会社の方が見ていて下さったら、
ぜひ商品化をご検討くださいませ~~!』
_______________________________________________
上記事で韓国のゲイ映画をレビューしていますが、
90年代にも一作、あったようです。
それがこの『明日に流れる川』。
腐女子好みの、美青年が登場する凡庸なラブストーリーではなく、
朝鮮戦争以降の韓国史を根底のテーマに据えた、
野心的なゲイ映画らしいので、是非観てみたい!
日本では、『東京国際レズビアン&ゲイ映画祭』など
一部で公開されたに留まったようで、ソフト化もされていません。
あ~ん、ぜひ観たい!
原題:내일로 흐르는 강
英題:Broken Branches
製作年:1996年
製作国:韓国
監督:パク・チェホ
出演:イ・デヨン、キム・エリョン、イ・インチョル
PR
原題:Apartment Zero
製作年:1988年
製作国:イギリス
監督:マーティン・ドノヴァン
出演:ハート・ボックナー、コリン・ファース、
ドラ・ブライアン

___________________________________
日本でも話題の『英国王のスピーチ』でオスカーに輝き、
キャリアのピークにいらっしゃるコリン・ファースの、
若き日の姿が楽しめる作品。
僕は基本的にサスペンス大好きなのだが、
なかでも本作のように”秘密”が物語の進行上、
重要なポイントとなってくる展開は大好物なので、大いに楽しめた。
主役の男性ふたりによる存在感が大きい作品だが、
隣人として登場する脇役の個性が豊かなところも面白く、
アパートという限定された空間の中で繰り広げられる物語の利点は、
充分に活用されている。
住人によってそれぞれに違う部屋のインテリアを眺めているだけでも、
結構楽しめるのだ。
また英国映画でありながら、
ブエノスアイレスを舞台にした設定がエキゾチックで、
ラテンアメリカの映画を観ているような錯覚に陥る瞬間も。
何よりアルゼンチンの黒い歴史である、軍事政権の二次災害を
推理劇のスパイスとして効かせているところがユニークで、見応えがあった。
傭兵という言葉の意味について改めて考えさせられたが、
現実にこういうことがあったのかもと思うと、空恐ろしくなってくる。
その意味では”社会派サスペンス”としての側面も持った作品だ。
そしてこのブログ的には例によって、なのだが、
本作にもゲイ的な要素は、濃厚に漂っている。
80年代後半という微妙な時代柄、直接的な描写は敢えて避けられているものの、
複雑な背景を持つふたりの男性が、
それぞれの理由でお互いを必要としていく過程が、
サスペンスにふさわしく、緊張感たっぷりに描かれるのが面白い。
映画好きな主人公の部屋には、モンゴメリ・クリフトやジミー・ディーン、
そしてオーソン・ウェルズ(『強迫/ロープ殺人事件』のスチール)の
写真が飾られていたり、女装の娼婦が脇役に登場していたりと、
それらしい雰囲気を強調するデティールもたっぷり。
何よりそれまでスーツ一辺倒だったコリン・ファースが、
相手を偲ぶような皮ジャンスタイルに成り果てている
ラスト・シーンが意味深で、物哀しかった。
それにしてもコリン・ファースは、
『シングルマン』『アナザー・カントリー』『秘密のかけら』
そして本作と、ホントによくゲイ役を演じてくれる俳優だなぁ
ポチッとお願いします★
製作年:1988年
製作国:イギリス
監督:マーティン・ドノヴァン
出演:ハート・ボックナー、コリン・ファース、
ドラ・ブライアン
___________________________________
日本でも話題の『英国王のスピーチ』でオスカーに輝き、
キャリアのピークにいらっしゃるコリン・ファースの、
若き日の姿が楽しめる作品。
僕は基本的にサスペンス大好きなのだが、
なかでも本作のように”秘密”が物語の進行上、
重要なポイントとなってくる展開は大好物なので、大いに楽しめた。
主役の男性ふたりによる存在感が大きい作品だが、
隣人として登場する脇役の個性が豊かなところも面白く、
アパートという限定された空間の中で繰り広げられる物語の利点は、
充分に活用されている。
住人によってそれぞれに違う部屋のインテリアを眺めているだけでも、
結構楽しめるのだ。
また英国映画でありながら、
ブエノスアイレスを舞台にした設定がエキゾチックで、
ラテンアメリカの映画を観ているような錯覚に陥る瞬間も。
何よりアルゼンチンの黒い歴史である、軍事政権の二次災害を
推理劇のスパイスとして効かせているところがユニークで、見応えがあった。
傭兵という言葉の意味について改めて考えさせられたが、
現実にこういうことがあったのかもと思うと、空恐ろしくなってくる。
その意味では”社会派サスペンス”としての側面も持った作品だ。
そしてこのブログ的には例によって、なのだが、
本作にもゲイ的な要素は、濃厚に漂っている。
80年代後半という微妙な時代柄、直接的な描写は敢えて避けられているものの、
複雑な背景を持つふたりの男性が、
それぞれの理由でお互いを必要としていく過程が、
サスペンスにふさわしく、緊張感たっぷりに描かれるのが面白い。
映画好きな主人公の部屋には、モンゴメリ・クリフトやジミー・ディーン、
そしてオーソン・ウェルズ(『強迫/ロープ殺人事件』のスチール)の
写真が飾られていたり、女装の娼婦が脇役に登場していたりと、
それらしい雰囲気を強調するデティールもたっぷり。
何よりそれまでスーツ一辺倒だったコリン・ファースが、
相手を偲ぶような皮ジャンスタイルに成り果てている
ラスト・シーンが意味深で、物哀しかった。
それにしてもコリン・ファースは、
『シングルマン』『アナザー・カントリー』『秘密のかけら』
そして本作と、ホントによくゲイ役を演じてくれる俳優だなぁ

ポチッとお願いします★
製作年:1989年
製作国:日本
監督:塚本晋也
出演:田口トモロヲ、塚本晋也、藤原京、
叶岡伸、石橋蓮司

___________________________________
僕がこの映画についてはじめて知ったのは、
雑誌『宝島』の紹介記事だったと記憶している。
当時はまだ子供だったので、その強面なイメージに恐れをなし、
映画館へチェックに赴こうなどとは、とても思えなかったのだが、
近年「そういえば、そんな映画があったっけ」と思い出し、レンタルソフトを探した。
しかしどこにでも置いてある作品ではなく、
また一体どの棚を探すべきなのか、三歩踏み出すうちに忘れてしまったりして、
どんどん時間が過ぎていった。
20年越しで気になっていた映画を、やっと観ることができたわけで、
勝手な感慨すら憶えてしまった次第だ。
とにかく好き嫌いは別として、
圧倒的なエネルギーと才気がほとばしっていた。
別世界に飛んでいけるという意味で、すごく楽しめる作品だったのだ。
この映画を観ていると、使い捨てられた鉄や金属は、
撮りようによって非常に絵になる廃材だということが、よくわかる。
しかしそのオブセッションを映像へと刻み込んでいくには、
並々ならぬセンスが必要となってくるはず。
他人からの容易な理解を期待できない題材を、
少ない予算の中で、ここまでスタイリッシュに作品化した監督の
手腕と執念には、本当に敬服してしまう。
ねちょ~っと糸引く粘着質なテクスチュアに、
クローネンバーグとの相似性が感じられるあの衣装は一体、
どのぐらいの時間をかけて作ったんだろうか?
その異様な風体で畳の部屋とか日本の住宅街を走り回る絵作りが、
本当に刺激的で、全然古びていない。
また編集の技術がすごい。
実際には起こりえない、身体の機械化を映像化するために
静止画を細かく積み重ねていく手法が、
画面に自然な説得力とスピード感を付与している。
映像化の難しい題材でも、アイディアさえあれば貧乏臭くは見えないという好例だ。
そして、僕的にはどうしても書いておきたいのだけれど、
本作のラストに濃厚に漂っているゲイ的な要素。
あれは一体、何なんだろうか。
敵味方に分かれて争っていた怪人ふたりが「結合」し、
ペニス型をした双頭の怪人に成り果てる展開。
その瞬間に突然、甘いオールディーズが流れる演出。
そして「俺たちの愛を世界に見せつけてやろうじゃねえかぁ」と叫ぶ台詞。
監督の意図が働いていることに、疑いの余地はないのだが、
この点について指摘しているレビュー、国内では皆無だった
(ホントに、一体どこ観てんのかしらネ)。
作品内にちょくちょく挿入される、シュールなデティールの一環なのか、
それとも作品全体を覆っているテーマなのか……。
お陰でさらに、印象に残る作品となってしまった!
ポチッとお願いします★
製作国:日本
監督:塚本晋也
出演:田口トモロヲ、塚本晋也、藤原京、
叶岡伸、石橋蓮司
___________________________________
僕がこの映画についてはじめて知ったのは、
雑誌『宝島』の紹介記事だったと記憶している。
当時はまだ子供だったので、その強面なイメージに恐れをなし、
映画館へチェックに赴こうなどとは、とても思えなかったのだが、
近年「そういえば、そんな映画があったっけ」と思い出し、レンタルソフトを探した。
しかしどこにでも置いてある作品ではなく、
また一体どの棚を探すべきなのか、三歩踏み出すうちに忘れてしまったりして、
どんどん時間が過ぎていった。
20年越しで気になっていた映画を、やっと観ることができたわけで、
勝手な感慨すら憶えてしまった次第だ。
とにかく好き嫌いは別として、
圧倒的なエネルギーと才気がほとばしっていた。
別世界に飛んでいけるという意味で、すごく楽しめる作品だったのだ。
この映画を観ていると、使い捨てられた鉄や金属は、
撮りようによって非常に絵になる廃材だということが、よくわかる。
しかしそのオブセッションを映像へと刻み込んでいくには、
並々ならぬセンスが必要となってくるはず。
他人からの容易な理解を期待できない題材を、
少ない予算の中で、ここまでスタイリッシュに作品化した監督の
手腕と執念には、本当に敬服してしまう。
ねちょ~っと糸引く粘着質なテクスチュアに、
クローネンバーグとの相似性が感じられるあの衣装は一体、
どのぐらいの時間をかけて作ったんだろうか?
その異様な風体で畳の部屋とか日本の住宅街を走り回る絵作りが、
本当に刺激的で、全然古びていない。
また編集の技術がすごい。
実際には起こりえない、身体の機械化を映像化するために
静止画を細かく積み重ねていく手法が、
画面に自然な説得力とスピード感を付与している。
映像化の難しい題材でも、アイディアさえあれば貧乏臭くは見えないという好例だ。
そして、僕的にはどうしても書いておきたいのだけれど、
本作のラストに濃厚に漂っているゲイ的な要素。
あれは一体、何なんだろうか。
敵味方に分かれて争っていた怪人ふたりが「結合」し、
ペニス型をした双頭の怪人に成り果てる展開。
その瞬間に突然、甘いオールディーズが流れる演出。
そして「俺たちの愛を世界に見せつけてやろうじゃねえかぁ」と叫ぶ台詞。
監督の意図が働いていることに、疑いの余地はないのだが、
この点について指摘しているレビュー、国内では皆無だった
(ホントに、一体どこ観てんのかしらネ)。
作品内にちょくちょく挿入される、シュールなデティールの一環なのか、
それとも作品全体を覆っているテーマなのか……。
お陰でさらに、印象に残る作品となってしまった!
ポチッとお願いします★
原題:Les Nuits Fauves
製作年:1992年
製作国:フランス
監督:シリル・コラール
出演:シリル・コラール、ロマーヌ・ボランジェ、
カルロス・ロペス、コリーヌ・ブルー

_________________________________________
公開当時すごく話題になった作品で、
僕もタイトルだけは記憶していたのだが、
こんなにゲイ要素の強い作品とは、観るまで知らなかった。
監督、主演をこなしているチャーミングなシリル・コラールは、
役柄と同じくHIVキャリアで(後年亡くなっている)、
彼の自伝的な要素も色濃い作品に仕上がっている。
日本でもそれなりにヒットしたはずなのに、DVD化はされていない様子だ。
スピーディなカメラワーク、エキセントリックな登場人物、
そしてストリートの孕む、さまざまな問題を巧みに取り込んだ脚本には
圧倒的な新鮮さがあり、後進へ与えた影響も、少なからずありそう。
まだHIVが、未解明な部分の多い新病だった時代の作品ということもあり、
感染者のとまどいや、感染を広げかねない未熟な行動なども
包み隠さずに描写しようと奮闘する。その実直な姿勢が、潔い。
これが初主演作となるロマーヌ・ボランジェは、
いかにもフランス娘っぽい雰囲気を発散していて、好印象。
あどけないマスクに豊満な肢体のアンバランスさが色っぽく、
なかなか見事なファム・アンファンぶりだった。
一途な情熱と、ストーカーばりの執着をむき出しにする難役だが、
その熱演を女優としてのプラスイメージに作用させるあたり、
さすがフランス映画という感じだ。
だが個人的には、なぜ物語の主軸に女性を紛れ込ませたのか、疑問を持った。
なにもゲイだって、始めっからすれっからしというわけじゃないんだし(笑)、
少年と青年ゲイの間に起こった、”愛”の認識の差を描いたほうが、
より伝わりやすい内容になったのではないか、と思うのだが。
またこの映画には、
「乱れた性生活を送った末エイズになったのに、自暴自棄になってまだ懲りていない」
というモラリストからの退屈な批判も、数多く寄せられている。
しかしゲイの世界にはパートナーシップのひとつのゴールとも言うべき、
結婚制度が浸透していない。
まぁストレートだってすぐ離婚する御時世だし、
長年の関係を良好に育むゲイ・カップルも少なくはないはずだが、
純粋な愛を裏切られた経験があるゲイには、
その後の人生を前向きに生きていくために、
刹那的なライフスタイルを選択せざるを得ない不運がある。
こうした背景を理解せずに、主人公の行動を否定するのは、
ナンセンスだということをわかって欲しいものだ。
終盤で、恋愛関係における追う者と追われる者の立場は逆転するのだが、
それぞれに”個”としての生き方に目覚めていくラストが、大人だった。
主人公が到達したのは、死に直面したものだけが知る諦念の境地であり、
恋愛関係を継続させるための言い訳では、決してない。
彼は今後も彼らしく、人生を全うするのであろうという救いが漂っており、
妥当なまとめ方だなと納得できた。
ポチッとお願いします★
製作年:1992年
製作国:フランス
監督:シリル・コラール
出演:シリル・コラール、ロマーヌ・ボランジェ、
カルロス・ロペス、コリーヌ・ブルー
_________________________________________
公開当時すごく話題になった作品で、
僕もタイトルだけは記憶していたのだが、
こんなにゲイ要素の強い作品とは、観るまで知らなかった。
監督、主演をこなしているチャーミングなシリル・コラールは、
役柄と同じくHIVキャリアで(後年亡くなっている)、
彼の自伝的な要素も色濃い作品に仕上がっている。
日本でもそれなりにヒットしたはずなのに、DVD化はされていない様子だ。
スピーディなカメラワーク、エキセントリックな登場人物、
そしてストリートの孕む、さまざまな問題を巧みに取り込んだ脚本には
圧倒的な新鮮さがあり、後進へ与えた影響も、少なからずありそう。
まだHIVが、未解明な部分の多い新病だった時代の作品ということもあり、
感染者のとまどいや、感染を広げかねない未熟な行動なども
包み隠さずに描写しようと奮闘する。その実直な姿勢が、潔い。
これが初主演作となるロマーヌ・ボランジェは、
いかにもフランス娘っぽい雰囲気を発散していて、好印象。
あどけないマスクに豊満な肢体のアンバランスさが色っぽく、
なかなか見事なファム・アンファンぶりだった。
一途な情熱と、ストーカーばりの執着をむき出しにする難役だが、
その熱演を女優としてのプラスイメージに作用させるあたり、
さすがフランス映画という感じだ。
だが個人的には、なぜ物語の主軸に女性を紛れ込ませたのか、疑問を持った。
なにもゲイだって、始めっからすれっからしというわけじゃないんだし(笑)、
少年と青年ゲイの間に起こった、”愛”の認識の差を描いたほうが、
より伝わりやすい内容になったのではないか、と思うのだが。
またこの映画には、
「乱れた性生活を送った末エイズになったのに、自暴自棄になってまだ懲りていない」
というモラリストからの退屈な批判も、数多く寄せられている。
しかしゲイの世界にはパートナーシップのひとつのゴールとも言うべき、
結婚制度が浸透していない。
まぁストレートだってすぐ離婚する御時世だし、
長年の関係を良好に育むゲイ・カップルも少なくはないはずだが、
純粋な愛を裏切られた経験があるゲイには、
その後の人生を前向きに生きていくために、
刹那的なライフスタイルを選択せざるを得ない不運がある。
こうした背景を理解せずに、主人公の行動を否定するのは、
ナンセンスだということをわかって欲しいものだ。
終盤で、恋愛関係における追う者と追われる者の立場は逆転するのだが、
それぞれに”個”としての生き方に目覚めていくラストが、大人だった。
主人公が到達したのは、死に直面したものだけが知る諦念の境地であり、
恋愛関係を継続させるための言い訳では、決してない。
彼は今後も彼らしく、人生を全うするのであろうという救いが漂っており、
妥当なまとめ方だなと納得できた。
ポチッとお願いします★
原題:愈快楽愈堕落
製作年:1997年
製作国:香港
監督:スタンリー・クアン
出演:チンミー・ヤウ、クー・ユールン、
サニー・チャン、エリック・ツァン

___________________________________
スタンリー・クアン監督がカミングアウト後に
発表した第一作目の映画で、ゲイ的な要素も色濃い群像劇。
DVD化されておらず、レンタルショップでも見つかりにくい作品なのだが、
中古店で安価に入手することが出来た★
前年にウォン・カーウァイの『ブエノスアイレス』が
公開されていた香港だが、
ゲイ監督の手がけた本作のほうが、
登場人物の相関図は遥かに複雑。
ノンケ(異性愛者)男に恋するあまり、
その妻と関係を持つゲイが登場するのだが、
当事者の目から見ると、行動にかなりの飛躍を感じてしまう。
そんな理由で女とやれるほどロマンチストなゲイは、
この世にいませんて……。
また、ノンケ男の方はゲイに寝込みを襲われ、
どうやら自分のゲイ的要素に目覚めたようなのだが、
こちらには具体的な濡れ場の描写が伴わない。
ストレートの観衆が感情移入しやすいよう、
あくまで男女関係を前面に押し出す配慮が、為されているというわけだ。
スタンリー監督の映画には、いつもこういったよそよそしさや、
器用貧乏さが濃厚に漂っている気もする。
しかし映画にリアリズムばかり求めるのもつまらないので、
個人的には「これもありか」と納得した。
しかし、一箇所だけ強く印象に残った場面がある。
ゲイの登場人物が香港の浜辺に腰掛け
「向こうは大陸。違法移民の上陸地だ。
彼らは悲惨だよ。見つかるのを恐れる生活……」
と言うのだが、なんだかサラッと流せず、気にかかってしまったのだ。
90年代という時代を考えれば、
違法移民が上陸するのは、大陸ではなく、むしろ香港だったはず。
つまり監督は、理由があって大陸へと渡る(帰る)
香港在住ゲイのメタファーとして、
”違法移民”という言葉を選んだのではないか
(もしかしたら、僕のわかっていない別の意味があるのかもしれないが)。
何しろ大陸で同性愛は、2001年まで”治療を要する精神疾患”と
みなされていたのだから、共産主義国家って本当に恐ろしい。
中国人のゲイにとって、香港はきっとパラダイスのように
自由を満喫できる場所であったことだろう。
冒頭のハッテン場のシーンに限っては、結構リアルだったし……。
「あ、日本と全然変わらない」なんて思ってしまった次第(爆)。
ポチッとお願いします★
製作年:1997年
製作国:香港
監督:スタンリー・クアン
出演:チンミー・ヤウ、クー・ユールン、
サニー・チャン、エリック・ツァン
___________________________________
スタンリー・クアン監督がカミングアウト後に
発表した第一作目の映画で、ゲイ的な要素も色濃い群像劇。
DVD化されておらず、レンタルショップでも見つかりにくい作品なのだが、
中古店で安価に入手することが出来た★
前年にウォン・カーウァイの『ブエノスアイレス』が
公開されていた香港だが、
ゲイ監督の手がけた本作のほうが、
登場人物の相関図は遥かに複雑。
ノンケ(異性愛者)男に恋するあまり、
その妻と関係を持つゲイが登場するのだが、
当事者の目から見ると、行動にかなりの飛躍を感じてしまう。
そんな理由で女とやれるほどロマンチストなゲイは、
この世にいませんて……。
また、ノンケ男の方はゲイに寝込みを襲われ、
どうやら自分のゲイ的要素に目覚めたようなのだが、
こちらには具体的な濡れ場の描写が伴わない。
ストレートの観衆が感情移入しやすいよう、
あくまで男女関係を前面に押し出す配慮が、為されているというわけだ。
スタンリー監督の映画には、いつもこういったよそよそしさや、
器用貧乏さが濃厚に漂っている気もする。
しかし映画にリアリズムばかり求めるのもつまらないので、
個人的には「これもありか」と納得した。
しかし、一箇所だけ強く印象に残った場面がある。
ゲイの登場人物が香港の浜辺に腰掛け
「向こうは大陸。違法移民の上陸地だ。
彼らは悲惨だよ。見つかるのを恐れる生活……」
と言うのだが、なんだかサラッと流せず、気にかかってしまったのだ。
90年代という時代を考えれば、
違法移民が上陸するのは、大陸ではなく、むしろ香港だったはず。
つまり監督は、理由があって大陸へと渡る(帰る)
香港在住ゲイのメタファーとして、
”違法移民”という言葉を選んだのではないか
(もしかしたら、僕のわかっていない別の意味があるのかもしれないが)。
何しろ大陸で同性愛は、2001年まで”治療を要する精神疾患”と
みなされていたのだから、共産主義国家って本当に恐ろしい。
中国人のゲイにとって、香港はきっとパラダイスのように
自由を満喫できる場所であったことだろう。
冒頭のハッテン場のシーンに限っては、結構リアルだったし……。
「あ、日本と全然変わらない」なんて思ってしまった次第(爆)。
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