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30代の編集者/ライター。ゲイ。映画、音楽大好きですが、仕事では書く機会がなく...。ので、こちらでは趣味全開にしちゃいます。
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映画はエンターテインメントでありつつも、アートフォームであって欲しいと願っています。    同じような気持ちで映画を観ているひとの慰みになれば幸いです★
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昨年2011年は、なんと318本の映画を観た!

僕は今から10年前の2001年を、自分の中の「映画元年」として、
鑑賞した作品を記録につけ始めたのだが、
ちょうど節目の10年目に、かつてないほどの鑑賞数を達成することができた。

2010年11月に、5年間勤めた会社を辞めたからこそ、可能になった数字である。
のらりくらりと半年以上も、フリーの仕事や失業保険で食いつないでいたのだが、
たくさんある自由時間の中でも、
なにか意味のあることをしておこうという気持ちで、毎日毎日映画を観続けたのだ。
しかし習慣というのはすごいもので、夏に転職してからも、そのペースは崩れなかった。

年初のテーマにしていたのは

・中国圏の映画を観る
・スペイン/ラテンアメリカの映画を観る
・カンヌのパルムドールやグランプリ作品をできるだけ観ておく
・ゲイ系で観こぼしている映画を補完する


ぐらいだったのだが、途中から「邦画の名作」という金塊にぶち当たってしまい、
軌道が大きく修正された。

というわけで、これだけたくさんの映画を観たのだから、これから何回かに分けて、
極私的な映画賞を発表しちゃおう、と思い至った。
対象作品は、「僕が今年観た映画」というだけで、
製作年や国に基準も何もありません、あしからず★
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最優秀作品賞
『赤線地帯』
1956年/日本映画
監督:溝口健二
出演:京マチ子、木暮実千代、三益愛子、若尾文子、町田博子

選出理由:すごい映画はほかにもあったのだけど、「邦画の探求」という、
私的トレンドのきっかけとなってくれた作品として、思い入れ深い。
個人的に「娼婦映画」は最も好きなジャンルなのだが、
「現場」で生きる女たちのバイタリティや計算、そして哀しみを
誠実に描ききった作品で、非常に面白い。
豪華キャストの群像劇となっている分、
他の溝口作品に比べ余裕やユーモアが感じられるのも、いい。最高です。



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作品賞ノミネート

『ハリウッド★ホンコン』
2001年/香港・日本・フランス映画
監督:フルーツ・チャン
出演:ジョウ・シュン、グレン・チン、ウォン・チーケン
選出理由:大陸と香港の間に広がる断絶を寓話的に描いた、監督の代表作。
きらめく幸せを運ぶ悪魔という微妙な役柄を、ジョウ・シュンが完璧に演じている。


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『失われた肌』
2007年/アルゼンチン・ブラジル映画
監督:ヘクトール・バベンコ
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、アナリア・コウセイロ
選出理由:南米の巨匠と若手スターのコラボにときめく。
退廃的でサスペンスタッチな物語と、
カラフルなのにどこかセピアがかったブエノスアイレスの色彩が、絶妙にマッチ。


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『乱れる』
1964年/日本映画
監督:成瀬巳喜男
出演:高峰秀子、加山雄三、三益愛子
選出理由:古きよき日本女性の美学が、取り返しのつかない悲劇を招くことの苦しみを、
メロドラマ仕立てで描ききった秀作。泣ける。


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『しあわせの雨傘』
2010年/フランス映画
監督:フランソワ・オゾン
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ジェラール・ドパルデュー、ジェレミー・レニエ
選出理由:邪気の強い監督だが、コメディを撮るとキャラクターへの距離感が、
ほどよく調整される。
気軽に楽しめて、ある程度のクオリティも保っている良作。


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『ラブ&デス』
1997年/イギリス映画
監督:リチャード・クウィートオニスキー
出演:ジョン・ハート、ジェイソン・プリートリー
選出理由:ゲイ系の中では最も気に入った作品。
『ベニスに死す』へのオマージュの中にも、
現代的なユーモアやヒューマニズムが投影されている。
ベビーフェイスでガチムチなジェイソンが、超かわいい!


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『捕らわれた唇』
1994年/スペイン映画
監督:アスセナ・ロドリゲス
出演:ペネロペ・クルス、クリスティナ・マルコス、マリア・プヤルテ
選出理由:ラテンの情熱とひたむきなヒューマニズムを感じさせる、隠れた名作。
フランコ政権下で覚醒する良家の子女を、ペネロペが熱演する。


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『羅生門』
1950年/日本映画
監督:黒澤明
出演:三船敏郎、森雅之、京マチ子
選出理由:怨念と保身が渦巻く人間模様を端的に描いた、名作中の名作。
京のエキセントリシズム、森の冷酷な色気、
そして三船の野性美が見事に引き出されている。


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『リキッド・スカイ』
1983年/アメリカ映画
監督:スラヴァ・ツッカーマン
出演:アン・カーライル、パーラ・E・シェパード
選出理由:アメリカのインディ魂が炸裂するニューウェーヴ映画。
チープなアイディアがことごとく面白い効果を発揮。脚本も意外にしっかりしている。


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『お茶漬の味』
1952年/日本映画
監督:小津安二郎
出演:木暮実千代、佐分利信、淡島千影
選出理由:小津のホームドラマの中でも、出色の出来栄え。
ユーモアたっぷりの展開に潜む、ピリ辛のシニシズムがいい塩梅だ。


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『パンチドランク・ラブ』
2002年/アメリカ映画
監督:ポール・トーマスアンダーソン
出演:アダム・サンドラー、エミリー・ワトソン
選出理由:ヒーロー、そして恋愛というありふれた物語要素を、
オルタナティヴな感性を駆使してユニークに纏め上げた監督の手腕に、感心!


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『拾った女』
1953年/アメリカ映画
監督:サミュエル・フーラー
出演:リチャード・ウィードマーク、ジーン・ピータース
選出理由:フィルムノワールの佳作。この時期のハリウッド映画は、
よく作りこまれた脚本とキャラクターの魅力だけでグイグイ引っ張れるから、すごい。


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『芙蓉鎮』
1987年/中国映画
監督:シェ・チン
出演:リウ・シャオチン、チアン・ウェン
選出理由:政情に翻弄される社会を、国民の視線から描いた、貴重なクラシック。
愛される女と愛されない女の闘いが、
全編を通し伏線として描かれているので、意外にエンタメ。


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『一瞬の夢』
1997年/中国・香港映画
監督:ジャ・ジャンクー
出演:ワン・ホンウェイ、ズオ・バイタオ
選出理由:大陸の若者の冴えない日常を、虚飾なく描く。
監督の客観的な視点、そして冷め切ったキャラクターからは、
欧米の青春映画にありがちなエゴの発露が、一切感じられない。
静かな暴力が際立つラストには、鳥肌が立った。


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『悪魔の陽の下に』
1987年/フランス映画
監督:モーリス・ピアラ
出演:ジェラール・ドパルデュー、サンドリーヌ・ボネール
選出理由:エゴに基盤を置くストイシズムが辿る末路を、重厚に、幻想的に描く問題作。
宗教用語を巧みに織り交ぜた脚本も、機知に富んでいる。


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ナイン・シガレッツ』
2003年/メキシコ映画
監督:ウーゴロ・ロドリゲス
出演:ディエゴ・ルナ、ルカス・クレスピ、カルメン・マドリード
選出理由:南米映画新世代の才気がほとばしる快作。コンピューターに支配され、
暴力にあふれた現代社会の暗部を切り取っているにも関わらず、
すべてが確信犯的にポップで、軽い。


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最低作品賞
『七夜待』
2008年/日本映画
監督:河瀬直美
出演:長谷川京子、グレゴワール・コラン
選出理由:近年の邦画も結構観たけど、
面白いと思ったのは塚本晋也と三池崇史くらいだった。
共通して歯痒く感じるのは「どんな人間/事象を支持している」或いは
「許しがたい人間/事象を告発する」という監督の強い主張が感じられないこと。
表現ってホントにそれでいいのでしょうか。
この映画もあちこちにいい顔をしている感じで、
何が言いたいのかよくわからない。有名タレントを起用したせいかと思って、
『殉の森』も観てみたが、基本的に描いていることは同じ。
問題提起があるだけで、葛藤が中途半端。これでは単なる現実逃避だ。

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というわけでした。
今年もいい映画いっぱい、観たいです。

ポチッとお願いいたします★

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