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原題:愈快楽愈堕落
製作年:1997年
製作国:香港
監督:スタンリー・クアン
出演:チンミー・ヤウ、クー・ユールン、
サニー・チャン、エリック・ツァン



___________________________________

スタンリー・クアン監督がカミングアウト後に
発表した第一作目の映画で、ゲイ的な要素も色濃い群像劇。
DVD化されておらず、レンタルショップでも見つかりにくい作品なのだが、
中古店で安価に入手することが出来た★

前年にウォン・カーウァイの『ブエノスアイレス』が
公開されていた香港だが、
ゲイ監督の手がけた本作のほうが、
登場人物の相関図は遥かに複雑。
ノンケ(異性愛者)男に恋するあまり、
その妻と関係を持つゲイが登場するのだが、
当事者の目から見ると、行動にかなりの飛躍を感じてしまう。
そんな理由で女とやれるほどロマンチストなゲイは、
この世にいませんて……。

また、ノンケ男の方はゲイに寝込みを襲われ、
どうやら自分のゲイ的要素に目覚めたようなのだが、
こちらには具体的な濡れ場の描写が伴わない。
ストレートの観衆が感情移入しやすいよう、
あくまで男女関係を前面に押し出す配慮が、為されているというわけだ。
スタンリー監督の映画には、いつもこういったよそよそしさや、
器用貧乏さが濃厚に漂っている気もする。
しかし映画にリアリズムばかり求めるのもつまらないので、
個人的には「これもありか」と納得した。

しかし、一箇所だけ強く印象に残った場面がある。
ゲイの登場人物が香港の浜辺に腰掛け
「向こうは大陸。違法移民の上陸地だ。
彼らは悲惨だよ。見つかるのを恐れる生活……」
と言うのだが、なんだかサラッと流せず、気にかかってしまったのだ。

90年代という時代を考えれば、
違法移民が上陸するのは、大陸ではなく、むしろ香港だったはず。
つまり監督は、理由があって大陸へと渡る(帰る)
香港在住ゲイのメタファーとして、
”違法移民”という言葉を選んだのではないか
(もしかしたら、僕のわかっていない別の意味があるのかもしれないが)。
何しろ大陸で同性愛は、2001年まで”治療を要する精神疾患”と
みなされていたのだから、共産主義国家って本当に恐ろしい。
中国人のゲイにとって、香港はきっとパラダイスのように
自由を満喫できる場所であったことだろう。
冒頭のハッテン場のシーンに限っては、結構リアルだったし……。
「あ、日本と全然変わらない」なんて思ってしまった次第(爆)。

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