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30代の編集者/ライター。ゲイ。映画、音楽大好きですが、仕事では書く機会がなく...。ので、こちらでは趣味全開にしちゃいます。
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映画はエンターテインメントでありつつも、アートフォームであって欲しいと願っています。    同じような気持ちで映画を観ているひとの慰みになれば幸いです★
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★『これが私の人生設計』

原題:Scusate se esisto! 
製作年:2014年
製作国:イタリア
監督:リッカルド・ミラーニ
出演:パオラ・コルッテレージ、ラウル・ボヴァ、マルコ・ポッチ、ルネッタ・サヴィーノ

個人的に(俳優にとって)最もハードボイルドなコメディ映画を作るのは
香港だと思っていたのだが、このイタリア映画も、かなり演出が徹底している
デティールに凝り過ぎていて、とてもじゃないけど全部拾っていられない、と思うほどだ。
ゲイだったら笑える楽屋ネタ、世代/地域格差ネタ、などなど…。
ヒロインも典型的な「巻き込まれ型」で、わかりやすい笑いの洪水のような作品である。

主人公のゲイ友・フランチェスコ役のラウル・ボヴァは、
本作でヒロイン以上にヒロインとしての役割をまっとう。
彼が通り過ぎると窯焼きの石(?)が噴煙を上げるんだからすごい。
こんな演出を与えられた役者を映画で観たの、
『女はそれを我慢できない』のジェイン・マンスフィールド以来かも(笑)。

脚本にはイタリアの抱える性格差問題が織り込まれ、
「男根主義に骨の髄まで染まり切った男性」と、
「彼を母親のように支えてしまう情深い南欧女性」の生む不幸の連鎖が、
戯画的に問題提起されている。

しかしヒロインが「ただの女」ではなく、「突出した才能を持つ女」であることも、
きちんと踏まえたうえでテーマを咀嚼したいところ。
「才能が才能を当たり前に発揮できなくてはおかしい」という正論と
いいとこ取りだけを目指す生温いフェミニズムを混同してしまうようでは、
凶悪な高度資本主義社会を突き崩せない。
企業に属する限り、誰もが少しずつ、
民主主義を諦めなければならないのが、現状なのだから……。
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★『麻花売りの女』


製作年:1994年
製作国:香港・中国
監督:チョウ・シアオウエン
出演:アイ・リーヤー、カー・チーチュン、リウ・ペイチー

こちらは社会主義国に生きる人間が、
ピュアな資本主義に目覚め、覚醒していくさまを興味深く描写した映画。
「労働をいかに効率よく換金するか」という、根源的な発想/行動に含まれる
「創造性のようなもの」を、ぼんやりと感じさせてくれるのが 楽しい。
「1990年代の世の中で、なんてお気の毒……」と嘲笑されることを承知で、
敢えて自国の恥をユーモアに昇華してしまう力強さは、中国圏ならでは。

大陸の農村が舞台で、雄大な自然を背景にしたロケの場面が多く、
都市部との対比は鮮やかに映し出される。
脚本には社会風刺だけでなく、フェミニズム、不倫など
さまざまな要素が巧みに織り込まれており、非常に観応えがある。
編集力も高く、映画的なセンスとエンターテインメント精神が横溢
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★『キャロル』

製作年:2015年
製作国:アメリカ
監督:トッド・ヘインズ
出演:ケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラ、カイル・チャンドラー、サラ・ポールソン

劇中で『サンセット大通り』がロードショー公開されているので、
「あ、時代背景は1950年」と理解。
控えめの照明でヴィヴィッドな色の氾濫を抑え、
どことなくレトロ&セピアなトーンで全体を統一している。その画面が、とにかく美しい

特に女優を美しく捉えるという点で監督(と美粧)の技量がいかんなく発揮されており、
「さすがゲイ監督」と唸らされた。
ニュークイアフィルムのシーンから登場して、メジャーで成功している監督と言えば、
彼とガス・ヴァン・サントが2強と呼べそうなので、
ぜひこの調子で「女優が撮られたいと願う」監督の地位を確かにして欲しい。

またいくつか、「よく晴れた日の自然光」が明るく差し込む場面もあった。
ランチに誘われたテレーズが、汚れたガラス越しに外のキャロルを見ているシーンの、
静止画のような繊細さ、美しさ……。
この感覚を得られただけでも「いい映画観た」という気分にさせてくれた。

脚本は「女が、女を愛する自分を受け止める姿」をきちんと描き切る。
時代背景を考えるとややオプティミスティックに見えなくもないが、
そこら辺はリアリズムに傾いた旧作の脚本(『エデンより彼方に』)を
踏まえての決断なのかもしれない。
またそれを容認する土壌が、ハリウッドに根付きつつあることを確認できた。

生々しさよりも雰囲気を重視したラブシーンは、ゾクゾクするくらいエロティック。
フランスの『アデル、ブルーは熱い色』に比べ、
取るに足らないほど控え目な描写に仕上がっているのも面白い。
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★『ドン・ジョン』

原題:DON JON
製作年:2013年
製作国:アメリカ
監督:ジョセフ・ゴードン=レヴィット
出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット、スカーレット・ヨハンソン、ジュリアン・ムーア

オルタナティヴぶっているのではなく、
監督兼主演のジョゼフの感性がきちんと反映された脚本が面白い。
まるで欧州作品のように繊細で微妙な問題を扱っている恋愛映画として、お気に入り。

画面は撮影監督に頼りきりというか
「取り敢えず今っぽい撮り方で」というオーダーが見え見え。
しかしその軽薄さが作風には合っている。
クライマックスでも照明の位置がまるわかりだったり、
手持ちカメラがグラグラ揺れているのはちょっと安っぽいが……。

編集はスピーディで飽きさせない。
同じ背景のシーンを何度も挿入し、
主人公の心理を時系列で反映させて見せるのが映画的。
ヨハンソンは馬鹿女を楽しそうに演じており、
損な役回りを引き受けた女優魂を感じさせる。チャニング・テイタムもカメオ出演。
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★『汚れた顔の天使』


原題:ANGEL WITH DIRY FACE
製作年:1938年
製作国:アメリカ
監督:マイケル・カーティス
出演:ジェームズ・キャグニー、パット・オブライエン、ハンフリー・ボガード、アン・シェリダン

アンチヒーローのキャグニーをウィンウィンで制裁すべく
よく練り込まれた脚本で、隙なく観応えもあり。
ノワール的な邪悪さやニューロティック要素が見当たらないのは30年代的だが、
暴力描写がジメジメしておらず、
「やらなければナメられる」という世界観をリズミカルに、遠慮を排して描き切る。
これって80年前のワル?」と改めて瞠目。

クレーンで上空よりスラム街を映す冒頭から、
ものの数分で20年分を簡潔に説明してしまう展開も見事。
終盤は捕り物に終わらないクライマックスの連続だが、
MAX一歩手前でテンションを冷静にキープし続ける。

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