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映画はエンターテインメントでありつつも、アートフォームであって欲しいと願っています。    同じような気持ちで映画を観ているひとの慰みになれば幸いです★
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●原題:La Prisonniere
●製作年:1968年 
●製作国:フランス/イタリア
●監督:アンリ・ジョルジュ・クルーゾー
●出演:ローラン・テルズィエフ、エリザベート・ウィネル、
ベルナール・フレッソン、ダニ-・カレル、ダリオ・モレノ



________________________________________

アンリ・ジョルジュ・クルーゾーといえば『情婦マノン』。
すごく好きな映画だ!
その監督が撮った60年代の映画があるということで、
ワクワクしながら観た。
まず画面がきれい。そういえば彼のカラー作品を観るのは初めてだ。
海辺で撮ったシーンはまるで絵画みたいで、
すごく計算されているのがわかる。
また、登場人物が当時のモダンアートに関わるアーティストたちという
設定なので、小道具がいちいちポップ。
独身貴族であり、アーティストである男の書斎が映し出されるのだが、
『女性上位時代』に勝るとも劣らない、洒脱な舞台美術に感激。
細部を創り込むことで映画のクオリティが上がる、というセオリーを
きっちりまじめに、楽しんで行っているのが伝わってくる。

さて肝心の内容はというと、これまたこの監督らしい(?)
サドマゾの世界。
といってもあからさまな性描写があるわけではなく、
精神的な従属関係を描こうとする。
自らの性向を男の存在により自覚した女が、
抵抗を試みながら、しかし、いやよいやよもなんとやらな感じで、
ついには自らを解放してしまうという、なかなか刺激的な設定なのだ。
その後ふたりは、お互いになくてはならぬ存在となるのだが……。

ちょっと残念なのは、女の方が、
それまでの従属的な愛情表現を、
なかば強引に通俗的な愛情表現へ移行しようとする、心理の描写。
全く理解できないというわけでもないのだが、
演出としてやや飛ばし過ぎなきらいがある。
この矛盾をもう少し丹念に描いてくれれば、
より凄みのある作品になったのでは、と思う。

エリザベート・ウィネルという女優は他に代表作もないようだが、
口元がやや下品で、大衆的な雰囲気だ。
しかしシーンにより美しく観えるのも事実。
前年に似たようなテーマの『昼顔』が公開されているので、
ドヌーヴの対抗馬に思い切って無名の女優を起用するというのは、
英断だったのかも。

ラストの夢のシークエンスでは、時代柄、
サイケデリックな映像美への挑戦も行われているので、
これも必見という感じだ。

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