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30代の編集者/ライター。ゲイ。映画、音楽大好きですが、仕事では書く機会がなく...。ので、こちらでは趣味全開にしちゃいます。
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映画はエンターテインメントでありつつも、アートフォームであって欲しいと願っています。    同じような気持ちで映画を観ているひとの慰みになれば幸いです★
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原題:The Runaways
製作年:2010年
製作国:アメリカ
監督:フローリア・シジスモンティ
出演:クリステン・スチュワート、ダコダ・ファニング、
マイケル・スチュワート、テイタム・オニール



___________________________________

僕は大の音楽好きだが、なかでも特に、女性の表現に注目している。
女の子バンドは、もちろん大好物!
この映画の主役であるバンド、ランナウェイズが、好きだった時期もある
(リアルタイムではないが……)。
しかしポップ・ミュージックカルチャーにより深くはまるに連れ、
彼女たちへの興味は薄れていった。
「ダサい」と蔑むようにすら、なっていたかもしれない。
ロックが男の物だった時代に登場したランナウェイズは、
男以上に激しいイメージ、サウンドを打ち出そうと、無理を重ねていた。
80年代のニューウェーヴ以降、
よりナチュラルでしなやかな女性ミュージシャンたちが登場したことで、
ランナウェイズの遺した不自然かつキワ物的なイメージは、
際立って見えるようになってしまったのかもしれない。
僕の大好きな日本の女の子バンド、ゼルダのメンバーはこう語っている。
 「今まで女の子バンドというと、下着みたいな格好で歌うランナウェイズとか、
  その真似をした日本のガールズしかいなかった。
  私たちは女性だけでもアートの香りが漂うような、本物のバンドをやりたい」
女の子バンドのパイオニアのひとつとして、
道を切り拓こうと懸命だったランナウェイズは、
逆に反面教師のような存在として、忌み嫌われるまでになってしまったのである。

女の子バンドのプロデュースが暗中模索だった時代に、
自己表現を計ろうとした少女たちは、
どんなやり方で活路を見出そうとしたのか。
そして、なぜ同性からのリスペクトを得られなかったのか。
彼女たちの迷い、そして苦悩は、本作の中でつぶさに描かれていく。
音楽映画でもなく、伝記映画でもなく、
女性映画として立派に機能している作品だ。

ランナウェイズのメンバーの一人であり、
解散後に最も大きな成功を収めたジョーン・ジェットは、
本作の監修を担当している。
そのためかストーリーに大きな破綻はないが、
自らの同性愛傾向を包み隠さず描かせていることに、驚いた。
ヴォーカルのシェリーとの間に、
肉体関係を含む愛情の交歓があったなんて、想像もしなかったのだ。
女性バンド内でのレズビアン関係なんて、
当時にしてみれば、あまりにお誂え向きのスキャンダル。
セレブたちが次々とカミングアウトを試みる現代とは違い、
表沙汰になったら、致命的な打撃を受けたと思う。
しかしジョーンのキャラクターを鑑みれば、
それはあまりに自然なことだった。
もしかしたら僕が知らなかっただけで、
近年に公式のカミングアウトもあったのかもしれない。
とにかく彼女は、さまざまな意味でパイオニアだったのである。

本作で長編は2作目だという、
新進女性監督のフローリア・シジスモンティは、PV畑の出身。
ビョークやマリリン・マンソン、そしてクリスティーナ・アギレラなど、
人気アーティストたちの作品を手がけてきたことで知られている。
今回は俳優たちの頑張りや、ランナウェイズという”レジェンド”の
陰に隠れるかたちとなり、自己主張は控え目だが、
エレベータの中で朦朧とするシェリーや、
行き詰ったジョーンの描写などに垣間見える、幻想的なタッチに個性を感じた。
次回作ではぜひ、その作家性を存分に発揮してもらいたい。


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