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30代の編集者/ライター。ゲイ。映画、音楽大好きですが、仕事では書く機会がなく...。ので、こちらでは趣味全開にしちゃいます。
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映画はエンターテインメントでありつつも、アートフォームであって欲しいと願っています。    同じような気持ちで映画を観ているひとの慰みになれば幸いです★
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製作年:1985年
製作国:日本
監督:相米慎二
出演:工藤夕貴、三上祐一、大西結花、
三浦友和、尾美としのり


_________________________________________

80年代のATG映画(ディレクターズ・カンパニーとの共同制作)。
豪雨、むせ返るような湿気、そして非日常的な雰囲気に包まれる
台風の1日が物語の主軸となっており、観ていて心地よい。

しかし主題となる「思春期ならではの衝動」とか「純粋さ」には、
さほど興味が湧かなかった。
僕にとっては過ぎたことだし、いち早く忘れてしまっても構わない、とすら思う事象だ。
 「俺たちには厳粛な生の前提となる、厳粛な死がない。
  だから俺は死んでみせる。お前たちのために」
という台詞と、その後の滑稽な死体描写にはグッと来るものがあったが……。
まぁ観る者によって好みが分かれる、青臭いテーマであることは確かだ。

演出は、やや図式的。
果たして日本の若者は、解放感を体現するに当たり、「踊る」だろうか?
僕は「踊れない」と思う。
きっと俳優を厳しく追い込んで「踊らせている」んだろうな、と思うと、
なんだか行き場のない気持ちになった。
セックスや暴力の要素が多分に盛り込まれているのは現代的で、
展開には緊張感がある。
総じて映画としては、純粋に楽しめる作品だった。

俳優たちのその後に思いを馳せ、情報を検索できるのは、
同じ日本人に許された特権かもしれない。
工藤夕貴は本作など、作品性の強い映画への出演が続いたことで海外から注目され、
永瀬正敏とともにジム・ジャームッシュの作品に起用された。
その後も海外作品に出演する機会に恵まれ、
近年は国内メジャーの作品にも顔を出している。
欧米にはインディペンデント作品のミューズとして
活路を見出す女優の在り方や、人材を受け入れ育てる環境があるが、
日本人がその射程距離に入れることは、かなり稀。
驚くべき強運の持ち主といえるだろう。

公開当時には工藤夕貴を抑え、映画祭の新人賞を獲得した
大西結花だったが、同年にアイドルデビュー。
人気ドラマ『スケバン刑事3』に出演するなどして、
使い捨てのメジャー路線へ進んだ。
現在は細々と芸能活動を続けているらしい。

少年と男の狭間を行き来する実存を見事に体現した三上祐一は、
その後俳優活動を続けたものの、90年代にフェードアウト。
現在、常人には理解不能な極北のネット住人と成り果てている姿を確認した。
映画と自分の作り出したキャラクターに、殉じるような人生を送っている様子だ。

それにしても近年の日本には、作品性の強い映画を主戦場としている
俳優が少ないな、と改めて思った。
男だと浅野忠信とか松田龍平ぐらい? いずれも出演作は見たことがないが。
女優に至っては、思い当たらない。

今年はもっとインディ邦画を観て、俳優の青田買いとかしてみようかな……。

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material:ふわふわ。り  template:ゆずろぐ

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