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原題:W./E.
製作年:2011年
製作国:イギリス
監督:マドンナ
出演者:アビー・コーニッシュ、アンドレア・ライズブロー、
ジェームズ・ダーシー、オスカー・アイザック



______________________________________________

マドンナの監督2作目。
インディ風の処女作とは180度異なる、ゴージャスな雰囲気。
製作費数十億という前評判は、伊達じゃなかった。

ハンディカメラの粗い映像を挿入する撮影/編集技法も凝っているし、
過去と現在を併走させる語り口がうまく、2時間は全く飽きさせない。
さすが無類の映画好きらしいマドンナの才気が、ほとばしっている感じだ。

しかし作品を貫くテーマは前作同様。
「私、私、私!」という野心の貫徹にあった。
深化のポイントは、達成の先にある、荒涼とした風景の描写の中にあるのかもしれない。

ただあなたに憧れて

本作のヒロインで、実在の人物であるウォリス・シンプソンは、
ボルチモアの父なし子から、時の英国王の伴侶にまで登りつめた女。
その生き様にマドンナがシンパサイズしていることは明らかなのだが、
僕は客席で、やや置いてきぼりにされたような感触に包まれた。
理由は以下の2つだ。

1●なぜそこまで上昇志向が強いの?…
セレブ願望の強い女たちが抱く、
「何がなんでも幸せになりたい、私には幸せになる権利がある」
という、分不相応な飢渇感。これがどうにも理解しづらい。
その幸せとやらが、華やかな社交界、煌びやかな装身具、
湯水のように金を使うライフタイルに収束されるところが浅薄で、
とても共感しにくいのだ。
本作を観ていると「でもあなただって、ホントはそうでしょ?」と、
決めつけられているようで、少し居心地が悪い。

2●あなたの武器はそれだけなの?…
ウォリス・シンプソンが生きた時代は現代と比較にならないほど
女性の地位が低かったのは明らかだが、
果たして彼女の魅力はどこにあったのかといえば、
それは巧みな社交術とか、他人と一線を画す洋服の着こなし程度だったというのが、
何とも物足りない。
さまざまな人間をねじ伏せるために、努力と実績を積み上げてきた
マドンナほどの人間が、なぜウォリスのような女に憧れを抱くのか、
よくわからないのだ。

マドンナは本作で、ウォリス・シンプソンに貼られたレッテルを剥がそうとしている。
彼女なりの視点から、ウォリスの痛みや孤独を浮き彫りにしようと懸命だ。
それは彼女自身が抱える、以下のような痛手と失敗の弁明でもあるのかもしれない。
・ジョンFケネディジュニアとの恋愛ゲームに敗退
・ハリウッドの大御所セレブ、ウォーレン・ベイティとの破局
・不屈のトライにも関わらず、女優として映画界に受け入れられなかった過去


映画の締めくくりに、現代を生きるもう一人の主人公が、
ウォリスに「ある提案」を差し出す、幻想的な場面がある。
それはまるで、女性の過剰な自意識に捧げる
処方箋かのような描かれ方だった。
しかしマドンナ自身は、果たして「それ」を本気で信じているのだろうか?
どうも疑わしい、そう思えてしまう……。

とはいえ、期待以上によい映画だったと、最後に付け加えておこう。


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