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30代の編集者/ライター。ゲイ。映画、音楽大好きですが、仕事では書く機会がなく...。ので、こちらでは趣味全開にしちゃいます。
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映画はエンターテインメントでありつつも、アートフォームであって欲しいと願っています。    同じような気持ちで映画を観ているひとの慰みになれば幸いです★
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原題:Potiche
製作年:2010年
製作国:フランス
監督:フランソワ・オゾン
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ジェラール・ドパルデュー、ファブリス・ルキーニ、
カリン・ヴィアール、ジェレミー・レニエ、ジュディット・ゴドレーシュ



_________________________________

以前このブログで、オゾン監督の『8人の女たち』をレビューした。
スペシャル・エディションのDVDを購入したタイミングだったはず……。
女優たちへのインタビューが収録された
ボーナス・ディスクもついていたので、
それについての感想も、確か書いたはずである。

カトリーヌ・ドヌーヴは『8人の女』に出演した女優の中で、
名実ともにトップの存在感を放っていた。
それゆえインタビュー中も、歯に衣着せぬ発言がポンポン飛び出す。
おだやかに監督の良い部分を褒め称えながらも、

「監督は女優をうまく撮ると評判だけど、私はそう思わなかった」
「彼は俳優に、自由な演技を認めないの」
「今回私が演じたのは、すごくヤな女」
「監督はこの映画に女優へのオマージュを込めたけど、女性そのものは賛美していない」

と辛辣な意見を口にしていた。その姿からは、
「ここ10年くらいで名前を上げた監督が何? 私は自分の意見を言うわ。
彼を批判したところで、私の地位は揺らがないわよ」というプライドが感じられて、
個人的には「ドヌーヴ様、かっちょええ」と感心したものだ。
この映像を、オゾン監督も当然目にしたことだろう。

そうした”リビング・レジェンド”からの挑発を、
真っ向から受け止めた結果本作の企画が生まれ、
『8人の女』以来のコラボが実現した……、
などと言ったら、ちょっと穿ちすぎ?
しかしドヌーヴ扮する主人公の生き方が徹頭徹尾肯定されている本作は、
正真正銘の”女性賛美”映画だった。

コメディだったせいもあるのだが、
個人的には、とにかく手放しで楽しめた作品。

まずキャラクターの人物像が、よく練り上げられている
(いまどきの観衆が「こんなババァダサい」と退屈しないよう、
ドヌーヴにはビッチな性格も充分加味されている)。

70年代後半という時代背景を忠実に再現しようと試みる、
美術・衣裳のこだわりぶりが楽しい
(娘役の髪型はまんまファラ・フォーセット。
ディスコのシーンはバカラの『Parlez-vous Francais?』でお出迎え、などなど……。
こうしたデティールは、本筋を追う以外の楽しみを与えてくれる)。

映画は基本的に「嘘」であるという前提を、
フル活用した脚本にはご都合主義も目立ったが、
起伏のある展開で、飽きさせない。
そのうえ60代のドヌーヴ、ドパルデューによるラブシーンに、
老醜を超えたロマンチシズムまで与えてしまう、見事な手腕はどうだろう!
これだけの要素を1本に結実させる実力、やはり並大抵ではない。

毎回コメディというわけにもいかないだろうが、
またこんな楽しい作品を撮って欲しいと、
切にお願いしたい気持ちでいっぱいだ。

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material:ふわふわ。り  template:ゆずろぐ

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