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30代の編集者/ライター。ゲイ。映画、音楽大好きですが、仕事では書く機会がなく...。ので、こちらでは趣味全開にしちゃいます。
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映画はエンターテインメントでありつつも、アートフォームであって欲しいと願っています。 同じような気持ちで映画を観ているひとの慰みになれば幸いです★
原題:鬼子來了
製作年:2000年
製作国:中国
監督:チアン・ウェン
出演:チアン・ウェン、香川照之、ジャン・ホンボー、
澤田謙也、ユエン・ディン

_________________________________
俳優として活躍しているチアン・ウェンの監督第二作で、
カンヌ映画祭ではグランプリを獲得した作品。
第二次世界大戦末期における中国の片田舎を舞台に、
平行線をたどる中国農民と日本兵のコミニュケーションを、
滑稽味たっぷりに描く。
戦争をテーマにした歴史もので、画面は白黒、
おまけに登場人物は洗練からほど遠い、農民ばかり。
なのに陰鬱で重苦しい雰囲気はまるでなく、
カラリとしたユーモア感覚に貫かれたスピーディな展開からは、
監督の才気がほとばしりまくる。
現代まで腹の探り合いが続く日本と中国の過去を、
中国人監督が描く以上、
おいしいところを中国にもっていかれても、文句は言えまい。
この映画に登場する中国人は、純朴な農民がほとんど。
そして日本人は、軍人ばかり。
両国の戦争の歴史を忠実に描写すれば、
自然にそうなってしまうのか。
抵抗する術などろくに持たない農民が策略を練ったところで、たかがしれている。
しかし命令には絶対服従と叩き込まれているうえに、
生来の真面目さが加わった日本兵は、状況次第で手の平を返す。
同じ怒りを爆発させるにしても、
スクリーン上でどちらの姿が純粋に見えるかは、明白であろう。
しかしここまでハードボイルドな日本人の姿を、
外国で製作された映画の中で観るのは、初めてかもしれない。
欧米の映画の中で描かれる日本人の姿といったら、
わざわざここに書くまでもないほど酷いものだが、
本作に登場する日本人には、少なくとも威圧感がある。
日本軍の宿舎の中庭に放り込まれ、
オドオドと周囲をうかがうチアン・ウェンの演技からは、
軍人に戸惑う農民以上のカルチュアル・ギャップが感じられ、強く印象に残った。
個人的には、チアン・ウェンのように熊っぽい男、すごくタイプなのだが、
日本陸軍の指揮官役を演じた澤田謙也の肉体美と甘いマスクにも、ハッとさせられた。
「この人、誰なんだろう」と思ったのだが、
日本より香港などのアクション映画で成功を収めている、稀有な俳優らしい。
ネット上にインタビュー動画が落ちていたので、チェックしてみたのだが、
パーソナリティ的には典型的な体育会系(或いはヤクザ)、といった趣。
本作のように作品性の強い映画へ出演するのは、恐らく最初で最後だろう。
しかしこのキャスティングは見事というほかなく、
彼の中に眠っていた役者としての可能性を、十二分に引き出している。
香川照之よりも、よっぽど強く印象に残ってしまった次第だ。
しかし、聡明な香川は本作の撮影記を出版しており、
これが立派な日中文化交流論になっているらしいので、
いま触手が動いている。
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製作年:2000年
製作国:中国
監督:チアン・ウェン
出演:チアン・ウェン、香川照之、ジャン・ホンボー、
澤田謙也、ユエン・ディン
_________________________________
俳優として活躍しているチアン・ウェンの監督第二作で、
カンヌ映画祭ではグランプリを獲得した作品。
第二次世界大戦末期における中国の片田舎を舞台に、
平行線をたどる中国農民と日本兵のコミニュケーションを、
滑稽味たっぷりに描く。
戦争をテーマにした歴史もので、画面は白黒、
おまけに登場人物は洗練からほど遠い、農民ばかり。
なのに陰鬱で重苦しい雰囲気はまるでなく、
カラリとしたユーモア感覚に貫かれたスピーディな展開からは、
監督の才気がほとばしりまくる。
現代まで腹の探り合いが続く日本と中国の過去を、
中国人監督が描く以上、
おいしいところを中国にもっていかれても、文句は言えまい。
この映画に登場する中国人は、純朴な農民がほとんど。
そして日本人は、軍人ばかり。
両国の戦争の歴史を忠実に描写すれば、
自然にそうなってしまうのか。
抵抗する術などろくに持たない農民が策略を練ったところで、たかがしれている。
しかし命令には絶対服従と叩き込まれているうえに、
生来の真面目さが加わった日本兵は、状況次第で手の平を返す。
同じ怒りを爆発させるにしても、
スクリーン上でどちらの姿が純粋に見えるかは、明白であろう。
しかしここまでハードボイルドな日本人の姿を、
外国で製作された映画の中で観るのは、初めてかもしれない。
欧米の映画の中で描かれる日本人の姿といったら、
わざわざここに書くまでもないほど酷いものだが、
本作に登場する日本人には、少なくとも威圧感がある。
日本軍の宿舎の中庭に放り込まれ、
オドオドと周囲をうかがうチアン・ウェンの演技からは、
軍人に戸惑う農民以上のカルチュアル・ギャップが感じられ、強く印象に残った。
個人的には、チアン・ウェンのように熊っぽい男、すごくタイプなのだが、
日本陸軍の指揮官役を演じた澤田謙也の肉体美と甘いマスクにも、ハッとさせられた。
「この人、誰なんだろう」と思ったのだが、
日本より香港などのアクション映画で成功を収めている、稀有な俳優らしい。
ネット上にインタビュー動画が落ちていたので、チェックしてみたのだが、
パーソナリティ的には典型的な体育会系(或いはヤクザ)、といった趣。
本作のように作品性の強い映画へ出演するのは、恐らく最初で最後だろう。
しかしこのキャスティングは見事というほかなく、
彼の中に眠っていた役者としての可能性を、十二分に引き出している。
香川照之よりも、よっぽど強く印象に残ってしまった次第だ。
しかし、聡明な香川は本作の撮影記を出版しており、
これが立派な日中文化交流論になっているらしいので、
いま触手が動いている。
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