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30代の編集者/ライター。ゲイ。映画、音楽大好きですが、仕事では書く機会がなく...。ので、こちらでは趣味全開にしちゃいます。
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映画はエンターテインメントでありつつも、アートフォームであって欲しいと願っています。    同じような気持ちで映画を観ているひとの慰みになれば幸いです★
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原題:MOTHER AND CHILD
製作年:2009年
製作国:アメリカ/スペイン
監督:ロドリゴ・ガルシア
出演:ナオミ・ワッツ、アネット・ベニング、ケリー・ワシントン、
サミュエル・L・ジャクソン、ジミー・スミッツ



_________________________________________

出した者、出された者、そして迎えたいと願う者。
3様の立場から「養子縁組」という制度を見つめ、
その制度に関わらざるを得ない人生を歩む女性たちの姿を描く。

僕は「エンタメ大作」には全く興味がないので、
選ぶのは「リアリズム重視のメッセージ性が強い佳作」か、
或いはそのどちらでもない作品ということになる。
本作は間違いなく「リアリズム重視のメッセージ性が強い佳作」だが、
テーマやメッセージそのものより、
個々のキャラクターを丹念に描こうとする仕事ぶりが素晴らしい作品だった。
映画らしく、劇的な偶然に頼るストーリー展開も目立つが、
不思議と自然で、深みのある物語として受け止められたのだ。

アネット・ベニング演じる「出した者」は、
母親の死を機に再び人生と向かい合う設定で、
表情までイキイキと若返る演技、演出が見事。
個人的には、彼女のようなスタンスで子供と向き合う女が発散する類の
わざとらしさが、非常に痛かったのだが、
それも計算ずくの演技だったのだろうか(だとしたらすごい)。
しかし人生において、もう交わることのないひとりの人間にこだわり、
執着してしまう後ろ向きの姿が哀しくて、かなりグッと来た。

ナオミ・ワッツ演じる「出された者」は、
人生をたったひとりで生き抜く決意を固めている。
あくまで自立にこだわる厳しさが美しく、
個人的には強い共感を憶えてしまった。
こうした女性が周囲に投げかけていく波紋(特に恋愛やセックスにおいて)を
漏らさず描いているところが現代的で、
旧態依然のヒューマニズム映画に対して行われた、明確な線引きを印象付ける。
ナオミといえば、リンチの不条理な『マルホランド・ドライブ』と、
ブロンドのアーパー役ぐらいしか観たことがなかったので、
その中間に当たるシリアスな演技派ぶりに瞠目。
本作の華やかな側面を一身に背負い、またその責務を充分に果たしていた。

ケリー・ワシントン演じる「迎えたいと願う者」は、
一見お気楽に見えて、実は不妊に悩む人々の共感を集めなくてはならない、
重要なキャラクター。
脆い自我が養子を得て、骨太に成長していく姿を描くだけで、
もう一本別の映画を撮れそうである。
黒人の登場人物が数多く登場する本作だが、
彼女が「未来」と「希望」の側面を担っているのも、よかった。


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