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映画はエンターテインメントでありつつも、アートフォームであって欲しいと願っています。    同じような気持ちで映画を観ているひとの慰みになれば幸いです★
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製作年:2008年
製作国:日本
監督:河瀬直美
出演:長谷川京子、グレゴワール・コラン、
キッティポット・マンカン、村上淳



____________________________________

カンヌ映画祭の常連となっている河瀬監督の作品。
まずは『殉の森』から観ようかなと思っていたんだけど、
ドキュメンタリー・タッチで俳優は無名か素人を起用、
しかも老人問題を扱っている作品のようだったので、
う~ん地味、とやや気を重くする。
そこで、売れっ子タレントを起用した本作を観てみようと考えた。
といっても長谷川京子って誰だか、よく知らないんだけど(笑)。


裏『それでも恋するバルセロナ』


しかし鑑賞していくうち、非常にイライラしてきた。
まず長谷川京子に、役者としての魅力がない。
そして気の毒なことに、”よくいる日本のバカ女”という役柄なのだ。

英語もろくに喋れないくせに、単身外国へ乗り込む。
チャラチャラと着飾り、露出過多。
あげ句被害妄想にとらわれ、現地で騒動を巻き起こすというのだから、
目も当てられない。

程度の差こそあれ、90年代には金満ジャパンの観光客が、
世界中のあちこちで恥を曝し、失笑を買ってきた。
豊かな社会制度と協調を強いる教育に慣れきっているため、
自分自身の力で状況を打開できない。
そうした気概はすでに骨抜きにされているため、
いい意味での図々しさやしたたかさにも、欠けている。
そんな生態が、海外ではひと際異様に映るのだ。
また消費社会にどっぷりと、喉まで浸かっているため、
教養や思想を磨こうという知的好奇心が、決定的に欠落している。

そんな人間が無防備になったとき、何をするのか。
ウジウジと困ってみせたり、泣いたりして、
ありのままの自分を受け入れてもらいたがるのである。
本当にプライドのかけらも感じられない、ぶざまな姿だ。
僕なども海外では、なるべくそうした行動を取らないようにと、
肝に銘じていたものである。
本作はそんな僕の近親憎悪を、忘れたかけた頃に強く刺激してきた。
ある意味典型的といえる日本人女性の行動を、
ユーモアを排除したドキュメンタリータッチで描いているため、
その愚行は際立って見えるのである。


批判の精神は日本で、いつになったら商業的に受け入れられるのか


作家性の強い監督が作る映画らしく、本作には物語然としたところが少ない。
主人公が何らかの覚醒を得て変化するというシーンを、
わかりやすく表現する必要は全然ないが、
見終わって長谷川京子演じる主人公の成長が、
明確に伝わってくるかというと、そうでもなかった。

でも別に、どうでもいい。
泣き喚いてさえいれば誰かが何とかしてくれる。
そんな風に考えている、精神的に幼い日本人が多少変化したからといって、
それが一体、何だというのだろう?
もともとのレベルが低いのだから、十人並み程度になっただけだ。

鑑賞後、僕の裡に沸き起こった、こんなシニシズムこそ、
河瀬監督の意図したものなのかもしれない。
海外へ赴く日本人の、ありのままの姿を映し描くことによって、
観衆にフィードバックを促しているのではないだろうか。

個人的には、この映画を観た日本人女性のひとりでも多くが、
思想を持つことの重要さに気付いてくれることを、願ってしまった
(もちろん、そんなことはとっくにわかっている、成熟した女性も
数多いとは思うが)。
うわべだけを整え続けていても、結局は同じ悩みにぶち当たるだけ。
そのたびに外国へ”癒し”を求めても、
現地人は金だけをありがたがって、腹の中で舌を出しているはずだ。
また女性だけでなく、日本人男性が現地に残した爪あとを、
しっかりと描いているのも、見落とせないポイントだった。

もちろんこんな意地悪な感想ばかりでなく、
本作から希望に満ちたメッセージを人も、中にいるだろう……、
でもそんな人、本当にいるのだろうか? 
映画の宣伝口上は「古式マッサージに触れ、癒されながら新しい自分に出会う」
といった、バカOLの好みそうなものだったが、
これが監督と配給会社の口裏合わせによる共謀なのか、
それとも監督が女優も含め、どうにかいいくるめたのか。
いずれにせよ、監督の透徹な視線が斜めに乱反射した印象で、
観ていて圧倒されるような力強さを、一向に感じられないのが残念だった。


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material:ふわふわ。り  template:ゆずろぐ

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