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原題:Ricky
製作年:2009年
製作国:フランス/イタリア
監督:フランソワ・オゾン
出演:アレクサンドラ・ラミー、セルジ・ロペス、
メリュジーヌ・マヤンス、アルチュール・ペイレ



___________________________________

『しあわせの雨傘』の1個前にあたる作品。
公開時は見逃したのだが、名画座のスクリーンで鑑賞できた。

本作のテーマは”シングル・マザー”。
といっても安っぽい応援賛歌ではない。
オゾン監督らしい批評精神の込められた、口に苦い良薬といった趣である。

僕の友人にもシングル・マザーがふたりいる。
いずれも夜遊びのなか知り合った女性で、
お世辞にも器用に人生を生きていくタイプとは言いがたい。
共通しているのは、人生の舵取りを自らの手で行いたい思いが強いこと。
自由でいたいと願う分、他人からの援助を素直に受け付けない厳しさも
漂わせているのだ。
この点については多いに共感してしまうだけに、
損をすることも多いはず、と容易に想像がつく。

本作のヒロインはすでにひとりの子供を女手ひとつで育てており、
シングル・マザーの労苦を味わい尽くしている。
新しい男性と出逢い、幸せを感じたとしても、
どこかで相手や将来に関する疑心暗鬼の念が
湧き出るのを、抑えきれない。
心に傷があるからだ。
その相手との間に新しい命が芽生えたことで、
彼女の心は喜ぶよりもさらに頑なとなり、周囲に対して心を閉ざし、
自らシングル・マザーの道を選ぶような成り行きをたどってしまう。

占いなどに
 「愛されることを恐れないで」
 「幸せになることを、怖がっていませんか?」
などというくだりを目にすることはよくあるが、
シングル・マザーにとって、これほど耳の痛い言葉もないだろう。
彼女たちは自分の行動の責任を取るべく、
子育ての労苦を一身に背負ってきた存在なのだ。
男や他人を容易に心を開けなくなっていたとしても、無理はない。
しかしそんな潔さや頑なさゆえに、
その後の幸せを一切見送らなければならないのだとしたら、
それはあまりに救いがなく、悲しい人生なのではないか。

本作はそんなシングル・マザーに向けた、現代のおとぎ話である。
よくできた特殊技術や、ハリウッド映画並の映像編集も駆使されているが、
娯楽の域には留まらない、繊細なメッセージが織り込まれている。
さすがフランス映画という感じだ。
ひとの心のやわらかい部分に踏み込んでくる、
監督の”どS”ぶりは健在なのだが、
この作品を観たシングル・マザーたちの心は、癒し諭され、
新たな希望に対し、前向きになれるのではないだろうか。


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