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原題:Precious: based on the novel “Push”by Sapphire
製作年:2009年
製作国:アメリカ
監督:リー・ダニエルズ
出演:ガボリー・シディベ、モニーク、ポーラ・パットン、
マライア・キャリー、レニー・クラヴィッツ



________________________

ニューヨークの治安がいまより悪かった80年代に
ハーレムで生まれ育った少女、プレシャスの物語。

プレシャスは母親から始終虐待を受けているうえに、
性的な虐待を加える父親の子供をふたりも産むという、
恐ろしい辛酸をなめた黒人の少女だ。

観るのに相当な覚悟が要る設定だったが、
バランス感覚に優れた監督の作品だったのは、幸い。
プレシャスは逆境に直面すると、精神の均衡を保つため現実逃避するのだが、
その庶民的で幸せな妄想をいちいち映像化してくれるので、
観る者が悲惨な現実へ直面しなくとも、済むようになっているのだ。
ラース・フォン・トリアーとか、パク・チュナクとか、
ミヒャエル・ハネケの手にかかったら、こうはいかなかっただろう。
僕はこうしたユーモアとか、エンターテインメント精神を
積極的に評価したいと思う。

しかし同時に、映画全体はプレシャスの視点で、強固に統一されていた。
魅力的なキャラクターが数多く登場するが、
脇役の域から抜きん出る演出は、極力控えた印象だ。
今の段階ではまずプレシャスとその母親をしっかり描くことが先決。
きっとそんな判断からなのだろう。

調べてみたら監督のリー・ダニエルズは黒人で、
またゲイであることをカムアウトしている人物だった。
そういえば作品内で、プレシャスを愛ある世界へと導く女性教師は、
レズビアンなのである。
プレシャスはそれを認めたうえで、
『同性愛者だからといって、私をレイプしたり、傷つけたりはしない』
と、冷静に発言する。
また母がプレシャスに、父のHIV感染を告げるシーンに、こんなくだりがある。
『あんたも感染しているかもしれないよ。でもあたしは大丈夫、
ケツでファックしたことはないから』
もちろんこれは無知からくる失言で、
母親の愚かしさは、さらに浮き彫りとなる仕掛けだ。
模範的な作風へわずかに織り込まれたデティールに、
監督のバックグラウンドが一瞬、垣間見えた気がした。

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material:ふわふわ。り  template:ゆずろぐ

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