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原題:I ♥ Huckabees
製作年:2004年
製作国:アメリカ
監督:デヴィット・O・ラッセル
出演:ジェイソン・シュワルツマン、ジュード・ロウ、マーク・ウォールバーグ、
ダスティ・ホフマン、リリー・トムリン、イザベル・ユペール、ナオミ・ワッツ



________________________

ユペールの出演作だから手に取った。
ジュード・ロウにしても欧州の俳優なので、
ハリウッドへの顔見世的な駄作かもと
期待はしていなかったのだが、割と面白かった。

世渡り上手と下手が登場する現代的な寓話で、
上手には鼻持ちならないエリートビジネスマン、
下手には環境保護活動家という役どころが、それぞれあてがわれている。
極資本主義の米国作品らしい設定だ。

世渡り上手とされるのは、社会のレールに乗り、キャリアを築ける人間。
パーティなどで一緒にいて楽しいのは、間違いなくこちらなのだろうが、
中身はペラペラ、非常に脆い倫理観の上でバランスを取っているので、
折につけ品性の下劣さが顔を出す。
世渡り下手はレールに乗り損ねた分卑屈で、所作も洗練されていないが、
物事の真理を見極めたいという志だけは持っている。
しかしこちらとて、油断をするとひね媚びた名誉欲が顔を出す。

こうした諸行無常を描くうえで、
本作は設定や脚本に、ライトな哲学アプローチを持ち込んだ。
世渡り上手にも世渡り下手にも「もっと思想を」、と
ブラックユーモアたっぷりに、両成敗な立場で問いかけている。

明快な対立構造を描いたアメリカ映画というのは、枚挙に暇がない。
今っぽい設定として、ジョックVSオタクの学園ものだと、
演出の八割がたでオタクの惨めさを際立たせ、
最後に逆転劇を用意していたりする。
逆に特定の職業にスポットを当てた物語の場合は、
エリートが悪役を担う場合が多いのではないか。

デヴィット・O・ラッセル監督の作品は初めて観たが、
生粋のNY人らしい。
本作を観る限り、ありふれた題材へのグラデーションのつけ方がユニークで、
機知に富んでいた。
この分だとウディ・アレンや、スパイク・リーに近いセンスを
持っているのではないかと、期待大。他の作品も観たくなった。

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