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原題:CRASH
製作年:1996年
製作国:カナダ
監督:デイヴィッド・クローネンバーグ
出演:ジェームズ・スペイダー、デボラ・アンガー、
ホリー・ハンター、イライアス・コティーズ、ロサンナ・アークエット



________________________________

クローネンバーグ監督の作品は全然知らなくて
昨年やっと『イグジステンツ』を観た。
何でもっと早く観る機会がなかったのだろうかと、
自分でも不思議に思うほど、しっくり来るものがあった。
静かな感動を呼ぶ佳作や、シニカルなメロドラマも大好きなのだが、
何作に一作かはサイコ・ホラー的なものを観ておかないと、
心のバランスが取れない気がする。おかしいかしらん。
かといって、所詮ホラーのエンタメ性に流れない、
灰汁の強い作家性を持った監督というのは、なかなかいないのだ。

果たして監督は今回、どんな変態映画を創っているのかと
ワクワクしながら本作を観はじめたのだが、
物語の開始から30分で、交通事故が2度も起こる。
そしてその前後は、ハードな濡れ場のオンパレード……。
やっぱし、普通じゃない。

この映画の登場人物たちは皆、車と交通事故に取り憑かれている。
ジミー・ディーンやジェイン・マンスフィールドなど、
派手に事故死したハリウッド・バビロンの主役たちは、
賛美の対象であり、英雄。
暴走や追突など、事故を誘発する行為は彼らにとって、
サディスティックな性的エネルギーをほとばしらせた、
究極の愛情表現法なのだ。

また同時に、制御能力の限界を超える状況へと追い込まれ、
圧倒的な破壊に直面する交通事故の中に、
マゾヒスティックなオルガスムを見出す。
死の淵をさまよった証に、身体へと深く刻み込まれた傷跡は、
愛撫を注ぐべき聖痕なのである。


エロスとタナトスは、相反するベクトルとして語られるがこの場合、
死とエロスが分かちがたく結びついて、離れない。
覚せい剤の常用など、自己破壊願望を前提とした
倒錯、悪習は枚挙に暇がないが、
本作を覆うオブセッションはその、
究極のかたちのひとつと呼んでも、差し支えないかもしれない。

死に向かうという逆説的な生き方を、
理解できないという向きも多いだろう。
僕は理解できる。しかし今のところ、同調はしない。
きっとクローネンバーグもそうだろう。
では、なぜこんな映画を撮るのだろうか。
惹きつけられるからだ。それはよくわかる。
しかし覗き込んだ深淵の中から、
こちらを見つめる眼に囚われる日も、
いつかは訪れたりするものなのだろうか。


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