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30代の編集者/ライター。ゲイ。映画、音楽大好きですが、仕事では書く機会がなく...。ので、こちらでは趣味全開にしちゃいます。
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原題:EYES WIDE SHUT
製作年:1999年
製作国:アメリカ/イギリス
監督:スタンリー・キューブリック
出演:トム・クルーズ、二コール・キッドマン、
シドニー・ポラック、マリー・リチャードソン



________________________

唐突だが、僕が最も好きな映画は、
アンジェイ・ズラウスキ監督、
イザベル・アジャーニ主演の『ポゼッション』である。
夫が持つ”秘密”に懊悩するあまり、
自らも醜悪な”秘密”を作ってしまう女の業を、
極端に描き切った傑作なのだが、
本作の主題は、この映画とよく似ていた。

ただし本作で懊悩するのは男のほう。
妻の心理的な姦淫と、その告白にショックを受け、
自らも”秘密”を作るべく、夜の街をさまよい始める。
健康的なアメリカン・エリート役によくはまるトム・クルーズが、
捨てられた仔犬のように傷つき、
セックスをめぐる冒険へと足を踏み入れていくサマを眺めていたら、
サディスティックな歓びがフツフツと湧き上がってきた。
ここまでは楽しかったのだが……。

本作のハイライトは、豪華絢爛な乱交パーティのシーン。
不気味かつ重厚な映像には一見の価値がある。
しかし物語はその後、
なぜかつまらない謎解きに拘る犯罪劇のようなベクトルに向かってしまう。
何てもったいないのだろう!
これでは、中途半端に古風なラブストーリーではないか。

キューブリックは一体なぜ、
あの洋館でトム・クルーズに全裸を曝させなかったのだろうか
(逆に二コール・キッドマンのヌードは、作品中大した意味もなく、
執拗にカット・インされる)?
実現したら、映画史上でもかなりセクシーな名場面として、
人々の記憶に残ったに違いない。
こうした演出上の手加減や、俳優自身の覚悟不足が積み重なり、
作品全体の質が下がってしまった感は、否めない。
やはりトム・クルーズのような能天気俳優は、
キューブリックと組んでも、この程度なんだなぁ……
(その点『ドッグヴィル』でレイプされまくる女を演じた
二コール・キッドマンの役者魂は、かなり立派である)。

そういえばデイヴィット・リンチ監督の
『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間』も、
堕落した女子高生の”秘密”が物語の鍵となる作品だった。
キリスト教的なオチには肩透かしを食らったが、
一貫しておどろおどろしい演出の印象がすべてを凌駕し、
濃厚なリンチワールドに酔い痴れたものだ。

このテのテーマは最も好きなので、つい評価が厳しくなってしまう。
遺作なだけに、キューブリックにもその底力を見せつけて欲しかった。

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material:ふわふわ。り  template:ゆずろぐ

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