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製作年:1992年
製作国:日本
監督:田代廣孝
出演:佐野史郎、戸川純、ルビー・モレノ



____________________________

戸川純目当てで観た作品。
80年代の元祖・不思議少女的にシンパサイズするわけではないが、
彼女が個性的な芸人であることは確かなので、大好きだ。
音楽ではソロ作やヤプーズ、そしてゲルニカなどで傑作を発表しているが、
女優業はどうなのか。
あまりチェックしてこなかったので、遅まきながら探し始めた。
彼女の個性を活かしきった代表作ってあるのだろうか?
あればとっくに観ているはずだしなぁ…… 、と思いつつ鑑賞していたが、
残念ながら、本作では助演扱いだった。

彼女自身がトーク番組などでよく語るくだりに
「私は意識して”変わった女”を演じているわけではない」というのがある。
テレビに出られるくらいだから異常というほどではないのだが、
挙動や喋り方に、他者との大きなズレがあるのは確かだ。

おかしなもので、映画の世界でも、カメラの前では「自然な」演技が要求される。
そして戸川純は、このパラドックスにはまってしまう。
「極力自然に」を心がけているはずの演技が、
どこかわざとらしく映ってしまうのである。
もともとが変わっているのだから、しょうがない。
しかし女優としては、大きな欠点として捉えられかねない。
少なくとも、キャスティングを敬遠される理由にはなってしまいそうだ。

共演の佐野史郎はサイコ野郎がはまり役で、揺るぎのない名声を確立しているが、
自然な演技ができる俳優だ。
内部に蠢く狂気を印象づけるには、
一見淡々としている、という側面を巧く表現できると効果的なのかもしれない。
静があるから動が際立つ、ということである。

しかし、それはあくまで手段のひとつ。
初めから終わりまで全開の狂気があったって、いいはずだ。
戸川純のために書き下ろされた脚本が1本くらいあっても、不思議ではなかった。
彼女はそのくらいの器の大きさや、魅力を持った素材で、
活かしきれれば日本の映画史上に残る1本が生まれたはずなのに。
フランスだったらきっと、誰かが何とかしただろうなぁ……、かなり惜しまれる。

映画としてはルビー・モレノの出世作にあたり、
日本人男性のフィリピン人女性に対する、非人道的な行為を軸に展開していく。
日本の田舎に嫁ぎに来た現地妻の次世代が、
逆に日本人を切り捨てていく、という構成は面白いと思った。

近年の若い世代は、ディスカバー・ジャパンをクールと捉えており、
農業や伝統工芸に対する価値観は反転傾向にあるが、
ほんの20年前まで、地方での暮らしに抱かれていたイメージは
陰鬱なものだったということを、本作ではいま一度確認できる。

光を抑えた色や画面づくりはきれいなのだが、
そこにこだわるあまりか何度も同じような場面が続き、
展開がのろいなと感じられる箇所がいくつかあった。
また見苦しい場面ほど長く、ネチネチしているな~と感じないでもなかったが、
そこは好みの分かれるところだろう。

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