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原題:TROP BELLE POUR TOI
製作年:1989年
製作国:フランス
監督:ベルトラン・ブリエ
出演:ジョジアーヌ・バラスコ、ジェラール・ドパルデュー、
キャロル・ブーケ



________________________

「愛欲」や「価値観の反転」というテーマを、
ちょっと面白い手法で描いている映画。

映画を作るにあたって、
登場人物の感情の流れを画面でどう表現していくかは、
演出面での大きな分かれ路になりえるかと思うが、
本作は「俳優に台詞で喋らせる」方法を多用する。
普通の映画ならモノローグなどで表現する心の動きを、
ペラペラと口に出すところが何とも奇妙であり、独特なのだ。

ベルトラン・ブリエ監督の出自はヌーヴェルバーグ運動にあるので、
こうした、ある意味不自然に見える脚本作りはお手の物なのだろう。
だがデティールに流れ過ぎているわけではなく、
映画としての力強さもきちんと備わっているので、好感度は高い。

惜しむらくは、物語が後半へ進むにつれ、
展開がやや凡庸になっていくところ。
現実と妄想が入り混じったようなシークエンスを紡ぐことで、
平凡な不倫物語たることを拒否するのだが、
かといってキャラクターを過度に美化するヒロイズムもまた、
受け入れられなかった様子だ。
結末にはどうしても中途半端な印象が残ったが、
前半の非凡な輝きのお陰で、全体が許せてしまう。
なんともチャーミングな作品である。

同じヌーヴェルバーグ出身でも、
例えばゴダールの80年代作品なんて、つまらなくてつまらなくて、
「何でもありがたがる信者だけに見せとけば?」と掃き捨てたくなる。
しかしベルトラン・ブリエには、
若い世代にアピールし続けられるバランス感覚が
備わっているように感じられた。
近年の作品も観てみよう、と思った次第。

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