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映画はエンターテインメントでありつつも、アートフォームであって欲しいと願っています。    同じような気持ちで映画を観ているひとの慰みになれば幸いです★
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原題:IL Futuro e Donna
製作年:1984年
製作国:イタリア/フランス/西ドイツ
監督:マルコ・フェレーリ
出演:オルネラ・ムーティ、ハンナ・シグラ、ニエル・アレストラップ



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タイトル通り女性礼賛の映画なのだが、いまひとつピントがずれている。

とりあえず男性は情けないキャラしか登場しない。
意味もなく妊婦を神秘化している。

そんなつまらないお膳立てをしないと女性を賛美できないなんて、
ちょっと浅薄な感じ。
一応まともな職に就いてはいるが、
どうみても堅気ぽくないカップルとその共同体に、
異分子のジプシー妊婦が絡んでいくというのが大筋。
ストーリーはヤクザカップルの生活習慣を軸に展開するので、
全体がどうにも自堕落で締まりがない。
ま、80’sにおける反体制的な姿勢と空気を表現するとこうなる、
といえるのかもしれないけど。

と、軽くコキおろしてみたが、映像的には面白い試みが散見されるので、
そこはしっかり評価したい。
冒頭のディスコシーンにおける、照明を駆使した演出は、
いかがわしさ満載で素晴らしかった。
再評価の波は特に訪れそうもないハイエナジー・サウンドも、
当時の舞台設定の中で聞くと、病んだ都会の病巣をえぐるような
鋭さを湛えている。
また唐突に登場するガルボとディードリッヒの巨大な頭部は、
いかにも映画的。フェリーニへのオマージュのようでもあった。

近年の映画は、予算が少ないのかもしれないが、
どうにも平坦な撮り方が主流になっている気がするので、
こうした荒唐無稽な演出の伝統というのを、ぜひ見直してほしい。
ハリウッド的にならない方法なら、いくらでもあるはず。
ガルボとディードリッヒの頭部の間に座るハンナ・シグラが
素敵で、まさしくスチール向けの絵になっていた。

というわけで、今回の鑑賞の動機はもちろん、ハンナ・シグラ。
ファスビンダー作品に出演している伝説の女優という感じだが、
この映画の製作当時でも、まだ40代ぐらいだと思う。
最近は活躍の噂を聞かないが、もう引退してしまったのだろうか。

この監督とは何本か仕事をしていたようで、
イザベル・ユペールと競演する『ピエラ 愛の遍歴』
も最近観たのだが、両作ともイタリア語映画で、
声は吹き替えっぽいのが残念。
作品全体の印象は本作と似たり寄ったりかな...。
ま、監督の作風に個性があることは認めるので、
またいつか観たくなることもあるかもしれない。

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