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30代の編集者/ライター。ゲイ。映画、音楽大好きですが、仕事では書く機会がなく...。ので、こちらでは趣味全開にしちゃいます。
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映画はエンターテインメントでありつつも、アートフォームであって欲しいと願っています。    同じような気持ちで映画を観ているひとの慰みになれば幸いです★
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原題:DARLING
製作年:1965年
製作国:イギリス
監督:ジョン・シュレンジャー
出演:ジュリー・クリスティー、ダーク・ボガード、
ローレンス・ハーヴェイ



_________________________________

容姿に恵まれるあまり、周囲からさまざまなものを与えられ、
やがてはイタリアのロイヤル・ファミリーにまで登りつめてしまう女の物語。
しかしその内実は、決してサクセス一色というわけではなく……。

監督はジョン・シュレンジャー。
代表作である『真夜中のカーボーイ』がアメリカ製作なので、
ついアメリカ人なのかと思ってしまうが、実はイギリス出身の監督だ。
彼はゲイで『日曜日は別れの時』や『2番目に素敵なこと』など、
ゲイを題材にした佳作も発表している。

本作は、まだ英国でゲイが法規制の対象だった時代(1967年に解除)に
製作されており、明確な男性同士の関係を描いているわけではないのだが、
劇中にはゲイキャラが多数登場するので、興味深い。
社会的地位が高いのをいいことにオネエバリ出しの男、
主人公の悪友であるカメラマン、そして彼のアバンチュール相手、などなど……。
皆バイセクシュアル型として描かれるので混乱しがちだが、
これは突っ込まれたときに「ほらこの男は、女性とも関係してますよぉ」と
言い訳するための予防策なのだろう。

主人公を演じたデビュー間もないジュリー・クリスティーは、
外国映画であるにも関わらず、本作の演技でいきなりオスカーを獲得。
トップ女優の座に登りつめている。
しかし個人的には、ダーク・ボガードの魅力を再発見。
主人公の女性を本心では愛しているのだが、自らの誇りを守り抜くため、
ハードボイルドに振舞う大人の男の強さ、酷薄さ、
そして脆さを見事に表現する姿に、思わずしびれてしまった
特に電車の中でジュリーの指を咥えたのち、キスへと雪崩れ込む
ラブシーンの色っぽさがすごい!
通常なら女優が体現する類の「艶」だと思うのだが、
そこはゲイ同士のコラボ(ダーク・ボガードもゲイ)。
男性の魅力をある意味なよなよとした、しかし斬新なかたちでユニークに表現している。
60年代の映画ではあまり観られない稀有の映像として、
作品中最も印象に残るシーンだ。

また60年代ロンドンのヒップなファッション、ライフスタイルを
スタイリッシュに切り取った映像にも注目したい。
『真夜中のカーボーイ』は必要以上にみじめ臭く、
『日曜日は別れの時』も暗めだったので、
監督はこんな映画も撮れるんだな、とびっくり。
『欲望』とか『エヴァの匂い』なんかにも通じるような、
皮肉っぽい洒脱さが、とてもクールだった。

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