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30代の編集者/ライター。ゲイ。映画、音楽大好きですが、仕事では書く機会がなく...。ので、こちらでは趣味全開にしちゃいます。
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映画はエンターテインメントでありつつも、アートフォームであって欲しいと願っています。    同じような気持ちで映画を観ているひとの慰みになれば幸いです★
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★『アデル、ブルーは熱い色』
原題:La vie d'Adèle-Chapitres 1 et 2
製作年:2013年
製作国:フランス
監督:アブデラティフ・ケシシュ
出演:レア・セドゥ、アデル・エグザルコブロス、サリム・ケシゥシュ



ひとりの少女が大人への階段を昇る過程を描いた青春映画
監督が抱く、主演女優への愛情が伝わってくる作品だった。
確かに彼女の本能的な表情は美しいケダモノのようで、
その白痴美を生々しく捉えようとするあまりに採用された
クローズアップのオンパレードには、観ていて首が疲れてくるほど。
引きのショットが出てくると、意外な感じさえしたほどだ。
それにしてもレズビアンカップルのベッドシーンが長い!
偽の性器を介しての撮影だったらしいが、リアルすぎてドキドキ。
友達のビアン子から「女同士のセックスには終わりがないのヨ」と
聞かされたことがあるが、その真相は謎のベールに包まれていたため、
今回はいい勉強になったかも。
総じて胸キュンのいい作品だったが、個人的には同じフランス製作で、
やはりレズビアンの青春映画『水の中のつぼみ』(2007)に軍配を上げたいところ。
ちょっとホモフォビックな要素がある展開なだけに、本作より泣けた。
レア・セドゥはかつて『美しき棘』で迷える少女を演じていただけに、
一段階成長したんだな、という感じ。
個人的にマーク中のニュータイプなイケメン、タハール・ラヒムとの
共演作『グランド・セントラル』も観たい!

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★『ピクニック』
原題:郊遊
製作年:2013年
製作国:台湾・フランス
監督:ツァイ・ミンリャン
出演:リー・カンション、ルー・イーチン、チェン・シャンチー、ヤン・クイメイ



ヴェネツィア映画祭での引退宣言にショックを受けていたのだが、
本作を観て「ああ、もう止められないのだな」と納得してしまった。
監督のこれまでの作品は確かに独特で、
どうカテゴライズしても確実に浮き上がってくるような個性があった。
しかしいくら映像が前面に出ようと、物語の断片はいくばくか散見できたから、
あとはイマジネーションで、いかようにも楽しめる余韻が残されていると思えた。
その危ういバランスは、彼の作品の魅力のひとつであったとも思う。
恐らく本作にも、同様の前提があったのではないだろうか。
しかし監督は、編集の段階でドラマツルギーを徹底拒否したようだ。
そこまで既存の映画作りに倦んでいたのかと思うと、何だか悲しくなる。
ラスト数十分の長回しが、なぜあれだけの時間を必要としたのか。
チェン・シャンチーの黒く美しい瞳から涙がこぼれ落ちた後は、
僕にはもう何ひとつ、理由も必然性も感じることはできなかった。
それを感じているのは恐らく、監督ひとりだけだろう。

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★『ブラック・ハッカー』
原題:Open Windows
製作年:2014年
製作国:アメリカ・スペイン
監督:ナチョ・ビガロンド
出演:イライジャ・ウッド、サーシャ・グレイ、ニール・マスケル



ネット社会の暗部を描いたサスペンスと聞くと、
SFXを駆使した「技術映画」が出てきそうでゲンナリだが、この映画は面白かった。
デジタルな先鋭性を画面で表現するにあたり監督が選択したのは、
PC上に開かれた幾つものウィンドウで、状況を同時中継するという手法である。
これなら映像ひとつひとつを撮影しておいて、あとで合成するだけ。
スプリット画面の応用のような体裁なので、さほどイヤミがない。
むしろそれらをきっちり成立させる絵コンテが
頭の中で見えているという鋭さに、
新時代の感覚ともいうべく底知れなさを感じた。
これからきっと、ハリウッドで散々模倣される手法になるだろう。
そういった意味で本作の原題は、商標登録のような明快さを持っている。
注目はヒロインの、サーシャ・グレイ。
元ハードコアポルノ女優で、カタカナではなく英語でSasha Greyと入力して
画像検索すると、えげつないのが山ほど出てくる。
ソダーバーグ作品で本格的に一般映画へシフトし、
今回は『ロード・オブ・ザ・リング』のイライジャと共演するまでに
成り上がっているのだから、今後の活躍に注目だ。
最も本作では、大した演技を披露するまでに至っていないが……。

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★『ラブレース』
原題:LOVERACE
製作年:2013年
製作国:アメリカ
監督:ロバート・エプスタイン、ジェフリー・フリードマン
出演:アマンダ・セイフライド、ピーター・サースガード、シャロン・ストーン、ジェームズ・フランコ



数億ドルの興行収入を上げたポルノ映画『ディープ・スロート』の
主演を務めた女優の、伝記映画。
本作の企画を知った時から期待と同時に、「超駄作になるかも」という予感もしていたが、
残念ながら後者が当たってしまった。
伝記映画なんて9割はつまらないから、観なければ良いのにと思いつつ……。
僕が最も不安視したのは、流されるように生きたリンダの人生を
美談に作り替えてしまう展開だったのだが、正に定石通り。
夫の強要と厳格な母の教育がすべての原因です、と言われれば、
そりゃ脚本的な隙はなくなるけど……、
弁護士の理論武装をそのまま流用している感じだ。
どうせ美化するなら、後年の「20年に渡る反ポルノ/DV運動」が
どんなものであったのか綿密に取材して、
脚本に落とし込んだほうが全然面白かった。
まぁ大した実績もない、というのが本当のところなのかもしれない。
ショックだったのは、本作の監督がロバート・エプスタインだったこと。
『ハーヴェイ・ミルク』、『セルロイド・クローゼット』という
2大名作ドキュメンタリーの監督が、なぜこんな……。
典型的転落セレブのリンジー・ローハンが降板したあたりから、
暗雲が立ち込めていたプロジェクトを、無理矢理押し付けられたのだろうか。
一般映画の公開は本邦初なだけに、随分と貧乏クジを引かされているようで、
気の毒としか思えない

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★『キュリー夫妻』
原題:Les palmes de M.Schutz
製作年:1996年
製作国:フランス
監督:クロード・ピノトー
出演:イザベル・ユペール、シャルル・ベルリング、フィリップ・ノワレ



9割がつまらない伝記映画にあって、珍しく佳作。
日本の学校の授業にも登場する偉人の物語をあくまで庶民的に、
コメディタッチでまとめ上げているため、退屈せず楽しめる。
ユペールのコメディエンヌぶりが発揮された映画は
『8人の女』ぐらいかと思っていたのだが、本作も然り。
またアカデミックでアンバランスな学者カップルの、恋愛映画としての側面もアリ。
束の間研究室を飛び出し、
青空の下に自転車を滑らせる2人を捉えたロングショットは、詩的に美しい

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