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30代の編集者/ライター。ゲイ。映画、音楽大好きですが、仕事では書く機会がなく...。ので、こちらでは趣味全開にしちゃいます。
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映画はエンターテインメントでありつつも、アートフォームであって欲しいと願っています。    同じような気持ちで映画を観ているひとの慰みになれば幸いです★
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原題:IL Futuro e Donna
製作年:1984年
製作国:イタリア/フランス/西ドイツ
監督:マルコ・フェレーリ
出演:オルネラ・ムーティ、ハンナ・シグラ、ニエル・アレストラップ



___________________________________

タイトル通り女性礼賛の映画なのだが、いまひとつピントがずれている。

とりあえず男性は情けないキャラしか登場しない。
意味もなく妊婦を神秘化している。

そんなつまらないお膳立てをしないと女性を賛美できないなんて、
ちょっと浅薄な感じ。
一応まともな職に就いてはいるが、
どうみても堅気ぽくないカップルとその共同体に、
異分子のジプシー妊婦が絡んでいくというのが大筋。
ストーリーはヤクザカップルの生活習慣を軸に展開するので、
全体がどうにも自堕落で締まりがない。
ま、80’sにおける反体制的な姿勢と空気を表現するとこうなる、
といえるのかもしれないけど。

と、軽くコキおろしてみたが、映像的には面白い試みが散見されるので、
そこはしっかり評価したい。
冒頭のディスコシーンにおける、照明を駆使した演出は、
いかがわしさ満載で素晴らしかった。
再評価の波は特に訪れそうもないハイエナジー・サウンドも、
当時の舞台設定の中で聞くと、病んだ都会の病巣をえぐるような
鋭さを湛えている。
また唐突に登場するガルボとディードリッヒの巨大な頭部は、
いかにも映画的。フェリーニへのオマージュのようでもあった。

近年の映画は、予算が少ないのかもしれないが、
どうにも平坦な撮り方が主流になっている気がするので、
こうした荒唐無稽な演出の伝統というのを、ぜひ見直してほしい。
ハリウッド的にならない方法なら、いくらでもあるはず。
ガルボとディードリッヒの頭部の間に座るハンナ・シグラが
素敵で、まさしくスチール向けの絵になっていた。

というわけで、今回の鑑賞の動機はもちろん、ハンナ・シグラ。
ファスビンダー作品に出演している伝説の女優という感じだが、
この映画の製作当時でも、まだ40代ぐらいだと思う。
最近は活躍の噂を聞かないが、もう引退してしまったのだろうか。

この監督とは何本か仕事をしていたようで、
イザベル・ユペールと競演する『ピエラ 愛の遍歴』
も最近観たのだが、両作ともイタリア語映画で、
声は吹き替えっぽいのが残念。
作品全体の印象は本作と似たり寄ったりかな...。
ま、監督の作風に個性があることは認めるので、
またいつか観たくなることもあるかもしれない。

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原題:SCHOOLDAZE
製作国:アメリカ
製作年:1988年
監督:スパイク・リー
出演:ラリー・フィッシュボーン、ジャンカルロ・エスポシート、
ティシャ・キャンベル、スパイク・リー



_________________________________

社会から隔絶された学生寮の中で、
独裁政治の真似事を繰り広げる学生の愚かしさを、
徹底的にパロった映画。
実社会を知らないガキ大将特有の独善的な価値観は、
程度の差こそあれ、万国共通なのだ。あたりまえだけど。

「まず内ゲバを描いていた」という事実には、感心させられる。
黒人間の意見の相違というのは、映画の中であまり見かけないからだ。
ストリートのリアルさや軽さも漂うシーンとなれば、なおさら。
本作以降「それぞれの主張の乱反射」を、
より広い世界に向け描いてきた監督の歴史を紐解くと、
ちょうど布石と呼べそうな位置にある作品なのである。

個人的に最も楽しめたのは、女性同士の対決シーン。
黒人特有のアフロヘアを誇る組と、
パーマをあて茶髪に染めた女狐組が、
ミュージカル・タッチでユーモラスに火花を散らす。
ティシャ・キャンベルってどこかで見たナと思っていたら、
『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』に登場した
狂言回しガールグループのフロントだった。
華があってよい。
シンガーの故・フィリス・ハイマンもカメオ出演している。

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●原題:L'Homme blessé
●製作年:1983年
●製作国:フランス
●監督:パトリス・シェロー
●出演:ジャン=ユーグ・アングラード、ヴィットリオ・メッツォジョルノ、
ロラン・ベルタン、リサ・クロイッツァー



__________________________________________

中産階級に生きながら、自らのセクシュアリティを解放できない
孤独な少年の破滅的な青春を描く。

80年代の仏映画によくある、観念的な作風。
閉塞した状況に喘ぐ少年の、
陰鬱で切迫したトーンが全体を支配しているため、観ていて疲れる。
というか、ものすごくユーモアに欠ける。
それがこの映画の描きたかった世界かもしれないし、
「思春期」とは、そんなものだったのかもしれないが。

主人公を導こうとする大人がみんなダメなのだが、特にゲイがダメダメ。
またこの時代、そのダメぶりが際立っていたであろうことは、
想像に難くない。
プライドを持っていた人は、一部の恵まれた芸術家を除くと、
みんな女装していたのでは。
そして少年は、ますます自分を追い込んでゆく。

個人的に致命的だったのは、ファッションや髪型。
アングラードをはじめとするキャラが魅力的に映っていない。
どこまでも貧乏臭い。
それも愛せるのか。いやとても愛せないのかで、
評価は割れることだろうと思う。

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material:ふわふわ。り  template:ゆずろぐ

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